渋野日向子が笑顔に秘めた圧倒的強さの内面 胸を打つ言葉の数々が驚異的な好感度を生む

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相手の言葉に対するレスポンスの速さは、信頼関係のベースとなるコミュニケーションの基本。とかく「いいことを言おう」「できる人と思わせたい」と思って間を空けて話しがちですが、それではなかなか心の距離は縮まりません。その点、渋野さんはスピード重視のレスポンスで、記者たちに「心を開いてくれている」「ぜひ話を聞きたい」と思わせることに成功していました。

なかでも特にレスポンスが速かったのは、食べ物に関する質問。渋野さんは、「帰りの機内ではフルーツやケーキを食べました」「お菓子が大好き。食べることで満たされる」「(今食べたいのは)焼肉です」「(次戦の)『meijiカップ』 はチョコレートが楽しみ」「(今一番食べたいお菓子は)梅昆布」と、何度となく食べ物の話をしていました。

しかし、彼女は決してふざけているわけでも、ただ食べるのが好きな女性というわけでもありません。「最終日の序盤でダブルボギーを打ってしまったとき、どう切り替えたのか?」と聞かれて「食べ物を食べる感じですかね」、「優勝争いの終盤はどんな心境だったか?」と聞かれて「最後のほうはやっぱり緊張しましたけど、お菓子食べて緊張をやわらげていました」とコメントしたように、勝つために本気で気分転換をしていたのです。

これをビジネスシーンに置き換えると、「重要な商談の前に、ランチで好きな料理を食べて緊張をやわらげる」「ミスをしてしまったときは、甘いものやコーヒーで気持ちを落ち着かせる」。渋野選手が中学生時代から食べることで気分転換を図っていたように、ビジネスパーソンも習慣化することで、それなりに自ら脳を切り替えさせられるのではないでしょうか。

セルフマインドコントロール力の高さ

渋野さんのメンタルコントロールにおける、もう1つのポイントは代名詞となっている笑顔。現在の渋野さんは常に笑顔の印象がありますが、もともと天真爛漫なタイプではなく、「以前はけっこう喜怒哀楽が激しいほうだったので、すぐスコアを落としていました」というタイプだったのです。

渋野さんはそんな課題を解決するために、父親のアドバイスもあって「笑顔でいること」を決断。強さの秘訣を尋ねられたときに、「最終日最終組でも笑っていられるのは、強さの秘訣かもしれない」と答えたことからも、あくまで「喜怒哀楽の激しさを抑えるため」と自覚したうえでの笑顔である様子が伝わってきます。

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