社会構造的に「結婚できない男女」がいる大問題 時代が変わっても根本は変わっていない

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植草:そうなんですよ。女性は恋愛経験もあるし、見た目もきれいにしている。そういう女性に「20代、30代前半で付き合った人となぜ結婚しなかったの?」と聞くと、「結婚を前提とした恋愛をしなかった」と言う。

山田:それは1990年代までの恋愛が活発化していた時代の特徴ですね。男性もその頃は猫も杓子も女性に声をかけたけれども、今はかけない。断られるリスク回避です。自分の価値、プライドを下げたくない。

女性が肉食化しても問題は解決しない

山田:スクールカーストという言葉がありますが、中学高校時代からモテる男性とモテない男性に分かれ、モテる男性はモテる男性同士と友達になり、モテない男性はモテない男性と友達になる。その構図が大人になってもずっと続く。

だからモテない男性は、友達からのアドバイスどころか、恋愛経験すら聞けない。それでいて恋愛のきっかけは相変わらず男性側から声をかけるのがほとんどで、女性から声をかけるケースは増えていません。だからモテない男性はずっとモテないままなんです。

肉食系女性がリードをするとサッと結婚が決まるので、女性には積極的に気持ちを伝えて、とアドバイスしていると言う植草氏(撮影:今井康一)

植草:弊社では逆プロポーズが結構多い。いわゆる肉食系女性がリードをするとサッと結婚が決まります。だから、女性には「待っていないで積極的に気持ちを伝えてね」といつもアドバイスしています。

山田:男性は、女性側からプロポーズされれば結婚を決めるでしょうね。男性が相手にこだわるのは年齢くらいで、あとは細かい条件よりもフィーリングで結婚を決めがちなので。

ただ、結婚相談所ではそれでうまくいくと思うのですが、社会全体で見ると根本的な課題解決にはつながりません。というのも、女性から声をかけるに足る、つまり“条件がいい男性”の数が絶対的に少ない。

積極的に声をかける女性がその男性と結婚すれば、結局、声をかけない消極的な女性や“条件が悪い男性”は余る。そういう人たちが結婚できる条件を整えない限り、日本全体としての結婚のあり方は変わらないんです。

植草:なるほど。男性の経済力の問題は大きい。

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