結婚遠ざける「生涯子育て」という日本的発想

いくつなっても責任から逃れられない

日本社会の変化に伴い、男女の結婚観はどう変化しているのだろうか? 前回に引き続き、山田昌弘氏(左)と植草美幸氏が語り合います(撮影:今井康一)
生涯未婚率が上昇し続けている日本。なぜ日本の男女は結婚から遠ざかっているのか。結婚相談所マリーミーの代表で本連載の筆者、植草美幸氏と、『結婚不必要社会』の筆者、中央大学文学部教授・山田昌弘氏が、最近の婚活事情について徹底議論。
前回(社会構造的に「結婚できない男女」がいる大問題)は、結婚がしにくくなっている社会構造について議論を交わしたが、話はそこから婚活における男女の「変化」について及んでいく。

成人しても子育てが終わらない日本

植草美幸(以下、植草):結婚したい人が結婚できないという状況をどうすればいいでしょうか。女性の場合、やはり子どもを産むのにリミットを感じるので30代後半ごろから結婚を焦る人が多い。一方、男性は子どもに関してはいつまでも大丈夫と思っている。その意識のズレがあるように思います。

山田昌弘(以下、山田):やはり「女性のほうが、リミットが見えやすい」ということだと思います。どうしても子どもをもうけたければ養子という方法もあります。昔は多かったけれども激減しました。世界的に見ても日本は養父母になろうという夫婦は少ない。

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植草:最近、ニューヨーク育ちで外資系企業に勤めている40代半ばの女性が、「もう自分で子どもを産むのは難しい年齢だから乳児院から養子を迎えたい。それでもいいという男性を紹介してほしい」と言って弊社に来ました。悲観的にならず前向きでうれしかったですね。彼女はアメリカ育ちだからこそそう考えたのかもしれません。日本ではまだまだ血のつながった子どもにこだわる人が一般的。

山田:血縁を重んじるのは、“世間体を考えて”と“成人すれば子育てが終わりではない”というところが大きな理由でしょう。2019年6月に大阪・吹田市で巡査が刃物で刺され拳銃が奪われた事件が起きました。強盗殺人未遂容疑で逮捕された30代の容疑者の父親は、放送局の役員だったのですが、責任を感じて退任した。

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