結婚遠ざける「生涯子育て」という日本的発想 いくつなっても責任から逃れられない

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植草:弊社でも何組かありましたが、女医さんが特に多いですね。激務ですし、オペが入ればたとえ自分の子どもが発熱したとしても保育園に迎えに行けないので、旦那さんが迎えに行くことになる。そうすると、おのずと旦那さんはバリバリ働くタイプではなく育休が取れるくらいの余裕がある人がいい。そして、旦那さんが家事育児を中心的に担う。

山田:収入の低い男性と収入の高い女性が婚活市場では“余っている”状態なので、そうした結婚が増えるのはいいですね。でも、女性側はそれで本当にいいと考えているのでしょうか。

35歳過ぎると鼻毛が出ている男性が多い

植草:「いい」と言う女性が、30代半ば以上から少しずつですが増えてきました。30代後半〜40代の女性は一般的な婚活には不利かもしれない。でも、仕事で成功しているのであれば、こうした結婚のあり方を視野に入るれると、対象となる男性の幅は広がります。

先ほども言いましたが、結婚は自分がその後どういう人生を歩みたいかが重要で、そこに条件を絞るべき。にもかかわらず、まだ顔だの身長だの学歴だのあれこれこだわっている女性には、「どうしてその要素が重要なの?」「それは結婚生活に必要なの?」とひとつずつ確認して、「人生を共に歩めるかどうか」を基準にお互いの希望を絞ってご成婚に導いています。

山田:結婚相談所の方は条件を絞らせるのに一苦労、それが仕事のようなものらしいですね。ただ、女性が顔や身長にこだわるのは、単に当人の好みというだけでなく子どもに引き継ぐ遺伝子の問題があるからだとも思います。

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女子学生に「女の子は父親に似るって言いますよね? 女の子はかわいいかかわいくないかで扱われ方が全然違う。だから顔がいい男性がいい」と言われたことがあります。……そう考えると、男性の役割って遺伝子とATMしかない(笑)。

植草:確かに(笑)。まあ顔のよし悪しは置いといても、婚活男性は小ぎれいにすることは大切です。35歳を過ぎると、鼻毛が出ている男性が本当に多い。お見合いで女性に「どうだった?」と聞くと3人に2人は「鼻毛が出ていました」と答えますから。

山田:鼻毛(笑)。自動的に結婚できた時代は、奥さんが世話していたのでしょう。今はそういう時代じゃない。

植草:本当にそのとおりです。婚活男性はまず鼻毛耳毛カッターを買うべきですね(笑)。

植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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山田 昌弘 中央大学 文学部 教授

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やまだ・まさひろ / Masahiro Yamada

1981年、東京大学文学部卒業。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。

親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。学卒後も両親宅に同居し独身生活を続ける若者を「パラサイト・シングル」と呼び、「格差社会」という言葉を世に浸透させたことでも知られる。また、「婚活」という言葉を世に出し、婚活ブームの火付け役ともなった。『結婚不要社会』、『新型格差社会』、『パラサイト難婚社会』など著書多数。

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