山田:男性は経済的に条件に合わないと、民間の結婚相談所に入会すらさせてもらえないでしょう。日本の未婚男性のおよそ3割は非正規雇用か無職。日本の未婚男性で年収400万円以上は約25%しかいません。一方、「適齢期の男性で年収400万以上を希望する」という女性は6〜7割。社会構造的に結婚は無理なんです。
女性側を調査すると、「自分が稼ぐから相手の収入はこだわらない」という人は2割程度。それは、高卒だろうと大卒だろうと同じ。どんな調査をしても2割。ちなみに、女性管理職比率もだいたい十数%、東京大学の女子学生比率も2割。不思議とこの数字は動かない。
結婚したら男性の収入で暮らすという考え方が、今もメジャーなんです。昭和の頃はそれでもよかったんです。収入が低かったとしても安定して将来アップする可能性が高かったから。
植草:弊社の会員さんにも、相手の希望年収を書いてもらうんですが、そこを空欄のままにしているのはだいたい2割ですね。ほとんどは自分の年収よりも多い男性を希望します。
ただ、最近はこだわらないという方が少しずつ増えてきたように思います。それに、年収400万円以下であっても結婚が不可能なわけではありません。そういう男性が弊社の会員さんにもいらっしゃいます。最初は女性に好かれるタイプではなかったのですが、「そのままじゃ結婚できないよ」という話をすると理解してくれて、身だしなみを整えるところから始めて、内面的にもどんどん変身しました。そういう人は結婚できる。
山田:前向きな努力が必要ですね。
植草:以前、農村のセミナーに呼ばれて行ったとき、セミナー後に婚活パーティーがあるというのに、普段着に長靴を履いてきた男性がたくさんいました。女性はきれいにしているんですよ。男女で意識に大きな違いを感じました。
山田:男性は「ありのままの自分を見てほしい」と考える人が多いんです。日本の男性の化粧がはやらないのもそのせい。
男女の意識が凝り固まっている
植草:「ありのまま」と言っても、若いうちはいいかもしれませんが、女性の目は厳しいですから……。
山田:女性は「自分を選んでくれる高収入の男性がいるかもしれない」と考え、男性は「ありのままの自分を選んでくれる女性がいるかもしれない」と信じているんでしょうね。その意識を変えないと。
植草:最近の男性のいい傾向を1つ言うとすると、「家事はおまかせください」とアピールする人が増えてきました。これは女性にはとても響くポイントだと思います。
山田:都市部や若い人はそうかもしれませんが、世代や地方によっては「父親が何もしないから自分も」という意識はまだ強いと思いますよ。でも、実際、男性は一人暮らし率が高いので、パラサイトしている女性と比較したら家事能力はあるはず。