暑さと冷房で疲れている人が実践すべき食習慣 暑い時期に意外と忘れがちなのが「油」だ

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外は紫外線が強く、暑く、ジメジメした夏の気候は続きますが、帰省や、海、山へと出かける機会が増えてくる時期です。最近の暑すぎる日本の8月においては、熱中症予防は最重要課題。そのため、どこに行っても冷房が利いています。冷房がキンキンに利いた室内にいつづけることで、体の冷え症状が悪化することも。また、寝るときの空調の調整がうまくいかず、睡眠も浅くなりがちです。

お盆を過ぎたころからは、これにゲリラ豪雨や台風が増え、気圧の変化が重なります。体は汗で脱水気味になり、ミネラルが減少するため、あらゆることにストレスを感じやすくなります。また、自律神経の乱れによって胃腸が弱る一方で、紫外線による活性酸素(※)の大量発生により細胞が損傷されるため、心も体も疲れ切っている状態です。

(※)「活性酸素」が発生する本来の目的は、外敵から身を守ること。この外敵として代表的なものが、紫外線です。夏は紫外線が強くなるため、活性酸素が発生しやすくなりますが、この活性酸素が過剰に出ると、正常な細胞までも傷つけます。

7月に続き高温多湿のこの時期は、「心」と「脾」が弱りやすい時期です。いろいろ考えてしまう「脾」と、不安が募り眠れない「心」の特徴を合わせて「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」と呼びます。心と体を動かす栄養が減っている状態です。

夏の時期は、体に生じるこれだけのストレスや炎症に対抗するために、コルチゾールの分泌が増えていきます。コルチゾールは体の「副腎皮質」というところから分泌されるホルモンの1つで、ストレスを感じると分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。これが増えると、精神的なストレスにも弱くなり、ちょっとした環境の変化や小さな出来事について考えて、眠れなくなったりします。

忘れがちな油

暑い時期は、ミネラルや水分の不足ばかり注目されますが、意外と忘れられがちなのが「油」です。油は体に悪いイメージがあるかもしれませんが、油にもたくさん種類があります。その中でも、体内で合成できないため、食べものからしか取ることのできない油があります。それは、必須脂肪酸である「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」の油です。

オメガ3脂肪酸の油には、あまに油やえごま油があります。これらのオメガ3脂肪酸は体の炎症を抑え、オメガ6脂肪酸は炎症を促す働きがありますが、何も意識せずに食事を取っていると、ほとんどの人がオメガ6脂肪酸を取りすぎてしまいます。オメガ6脂肪酸は、サラダ油、紅花油、コーン油など、日常に使いやすい価格で、どこでもよく使われている油だからです。

このオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想の摂取バランスは、「オメガ3:オメガ6=1:2〜4」といわれています。しかし、大抵の方は、「1:10〜40」というバランスにまでなっていることが多く、過剰にオメガ6脂肪酸ばかりを取ってしまっている状態です。

オメガ6脂肪酸だけでなく、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング、揚げものなど)の取りすぎにより、私たち現代人の体は炎症を起こしやすく、アレルギーが出やすい体質に偏っていることもあります。

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