SNSで疲弊している人は「名言」を読むといい 齋藤孝が選ぶ「心を支える日本人の名言」

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心の支えとなる「マイ名言」を持っていますか?(写真:A_Team/PIXTA)
言葉には力があります。いつまでも心の奥底に残り、自分を支え、励まし、背中を押し、時にはあなたの人生すら変えてしまう力を持つ、そんな言葉を私たちは「名言」と呼びます。
SNSの普及によって言葉があふれる現代は、言葉の価値が不安定になり、言葉に振り回されやすい時代です。だからこそ、時代を超えて語り継がれる、本質的な価値を持つ名言が心を支えるのだと、明治大学文学部教授・齋藤孝先生は言います。齋藤先生が上梓した『100年後まで残したい 日本人のすごい名言』を一部抜粋し、再構成し、その秘密を探ります。

「いいね!」を求める心があなたを疲弊させる

心は移ろいやすく、今日は調子がよくても、明日にはどうなるかわかりません。フラフラと動きやすく折れやすい心だから、支えてくれるものが必要です。それが名言です。名言は、読んでなるほどと言って終わらせるのではなく、心の支えとして使うべきなのです。

近年また名言に注目が集まっているように感じます。それは、氾濫する言葉の中で「拠り所」を見つけるのが難しくなっているからかもしれません。

インターネットが発達し、SNS全盛の現代には言葉があふれています。暴力的な言葉、ネガティブな言葉。一見正しいようだけれど、その正しさを押し付けてくるような言葉。言葉に振り回されていると、エネルギーは消耗します。

SNSに日常思っていることをアップしたり、LINEなどのコミュニケーションツールでやり取りしたりすることが多い現代では、言葉を発信する機会が圧倒的に多くなっています。

それは、つねに評価にさらされることと紙一重です。「いいね!」の数、リツイートの数、相手からの反応。評価を前提に発信しようとすると、無意識に言葉を修正してしまいます。

それは大きなストレスです。本来の自分、自分の人生というものを大切にしていないのですから。結局、発信するほどエネルギーを消耗していきます。

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