年齢を重ねるごとに、人はいろんなことがおっくうになってくる。モノを片付けるのも大変だし、捨てる捨てないのジャッジをするのも一苦労だ。「捨てる」指南本が続々出るのは、モノを捨てるのが実に難しいからだ。頭も体も動くうちにモノを減らしておかないとゴミ屋敷を笑えない日が来るかもしれない。
モノを減らすとお金も貯まるようになる。すっきりした状態を保ちたくなるので、買い物に慎重になる。洋服の数が減れば、手持ちのアイテムが把握しやすくなり似たような服を買わずに済む。部屋がすっきりすれば掃除もラクだし、探しものの時間も減らせるだろう。最もいいのは、「家を片付けなければ」というストレスから解放されることだ。
モノが減れば、収納ケースや整理ダンスも処分できる。荷物が減れば、将来はもっとコンパクトな住居に住み替えられるかもしれない。
モノを買うのが好きという人は多い。しかし今どきは捨てるほうがお金がかかる時代だ。老後になって大物を処分しようとすると費用の負担が重くなる。なるべく現役のうちに、徐々にモノを減らし、コンパクトな暮らしにシフトしていくべきだろう。
公的サービスや補助・助成金をオトクに使う
先に、シニアになっても教養娯楽費はあまり減らないと書いた。楽しみにかけるお金は人生の潤いであり、あまり削りたくはない。となれば、レジャーやエンタメにお金をかけない方法を知っておくのがいいだろう。
そのためには公的サービスの利用が欠かせない。東京都の場合は、自治体が保有するホールで行うコンサートなどには住民割引が使えることが多い。数百円で楽しめるプラネタリウム施設もある。自治体の広報誌はオトク情報の宝庫だ。ぜひ隅々まで読んでほしい。
また、家のリフォームに利用できる公的な補助・助成金もありがたい。耐震や防犯、省エネなどの改修に公的なお金が活用できるのだ。老後も安心して住み続けられる家を維持するためにぜひこうした助成金を活用し、手持ちの貯蓄はなるべく残しておこう。
われわれが将来受け取る年金は決して十分ではないが、それでも死ぬまで受け取れるありがたいお金だ。その中で暮らすには、お金を払う優先順位をつけなくてはいけない。しかし、現実は「つい習慣で、なんとなく」「断れなくて」「今買うとオトクだから」などの優先順位が高くないもののせいで目減りしていく。
それで「お金が足りない」と嘆いているとしたら、実にもったいない。“お金がない”が口癖の人にないのは、使っているという意識なのだ。使わなくてよかったお金をそぎ落とした時、本当に年金だけで足りないのかがきっと見えてくる。
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