そのため、現在も食費などの生活費自体は当時とあまり変わっていない。逆にデフレのおかげで当時よりずっと安く買える店も増えた。フリマアプリやお金がわりのポイントもある。で、この先も「年金があれば、何とかなるんじゃないか」と思ったのだ。
2019年の年金額モデルは、世帯で受け取れる金額が約22万円(夫の厚生年金含む)。ここから税金・社会保険料などを差し引くと、手取り額は20万円を切る。世の中には筆者のような節約好きではない方が大半で、現在の生活費と比較すれば「それは無理だ」と思うだろう。
とはいえ、誰でもいつかは年金暮らしに入る。その時に備えて今から何をすればいいか、支出を少しでも減らす手助けになる考え方についてお伝えしたい。
老後の支出は今より下がる
公的年金だけで暮らせるかの大前提として、現役時代の支出と年金暮らしの支出はイコールの額ではない。子どもにかかる出費は教育費を含め不要になるし、会社勤めを辞めれば飲みに行く回数も減るし、ビジネススーツや靴の購入もいらなくなるだろう。
総務省の家計調査のデータ(2018年)で比較すると、50代の勤労世帯の月額支出は平均35万円ほどかかっているが、無職の高齢者夫婦は65~69歳で約26万円、70~74歳で約25万円。75歳以上は約22万円と下がっていく。自然と小さくなっていくことは間違いない。
しかし、細かく見ていくと、食費は案外減らない。年代によっては交際費や教養娯楽費は現役時代より増えているほどだ。油断すると赤字は膨らんでしまう。しかし、「節約」を意識すればするほど情けない気分になり、続かない人は多い。使いたいお金を我慢するのは逆効果だ。そうではなく、無理なく支出を減らすために、次の5つを減らすことを意識してみてはいかがだろう。
誰にもお金の弱点がある。つい使ってしまう場所や状況、対象はないだろうか。誘われると絶対に飲みに行ってしまう人、ネット通販のプレミアムセールになると買い物せずにはいられない人、魅力的なダイエット器具のCMを見ると試さずにはいられない人……。「どうしてもスルーできない」消費は、あなたの弱点ともいえる。
自分の弱点がわかっているなら対策を考えよう。飲みに行かない曜日を決める、ネット通販のセールの日はあえてスマホを見ない、ダイエット器具のCMが始まったらチャンネルを変えるなど。もちろん、いきなりすべての排除はできない。しかし、これが自分の弱点だと認識するだけで、お金を払う前に一歩引いて考える間が生まれるのではないか。
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