月12万円の「年金だけで生きていく」ための心得 無理なく支出を減らすための「5つの視点」

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2.ルーチンを減らす

とくに買うものはないのだが、毎日何となくコンビニやスーパーに寄っている人は多いだろう。そして一度店に入ると、何だかんだお金を使ってしまう。主体的に「これを買おう」という行動ではなく、まさにルーチン化している消費行動だ。別に大した買い物もしていないのにお金がない、と嘆く人ほど、この無意識の消費が多いともいえる。

一度、財布の中のレシートやクレジットカードの明細を眺めてほしい。何を買ったかではなく、自分がよくお金を使う店がどこかを知るためだ。リアルの店舗で“ついつい買い”をしている人もいれば、ネットでの買い物が多い人もいるだろう。

対策として一番いいのは、物理的にそこに近づかないことだ。もし、週に5日コンビニで300円使っているなら、20日で6000円にもなる。1日減らして週4日に変えるだけで1200円が浮くのだ。帰り道にいつものコンビニがあるなら、別のルートで帰ってみるのもありだ。

ネットでの買い物も、目的があって買う場合だけでなく、おススメされるアイテムを眺めているうちにコレはいいなと感じてくる「受け身買い」も多いだろう。とくに夜は脳も疲れているので、買いのハードルが下がりがちだ。どうしても気になるモノはカートに入れるだけにして、本当に購入するかは翌朝すっきりした頭で判断しよう。

「もったいない」精神、「オトクの罠」に注意せよ!

3.「もったいない買い」を減らす

筆者は「オトクの罠」という言葉をよく使う。オトクですよと言われて、しなくていいムダ遣いをしてしまうことを指す言葉だ。

あと5000円買うと送料無料になるのにもったいない、生ビールが半額になるクーポンがあるのに使わないのはもったいない、もうすぐ期限切れのポイントをむざむざ失効させるのはもったいない――。

「もったいない」精神は美徳のはずだが、こと事業者側が提供するサービスや特典に関して言えば、その先にはトラップが待っている。トクする権利がこの手にあるというのに、それを無視できる気持ちの強さはなかなか持てないものだ。つい、必要ではないものを無理矢理買ってしまったり、出かける必要がなかった飲食店で散財してしまったりする。

これを防ぐには、「誰がトクする?」と考えることで冷静になれる。優遇サービスはわれわれ消費者のためではなく、事業者の利益のためだ。必要なものをオトクに買うのは正しいが、割引を使うために必要のない買い物をすれば、その利益は店側に落ちる。

「もったいない」をかきたてる好例があったので紹介しておこう。先日、ある定額サービスのアプリをダウンロードしたら、入会特典で1万円分のポイントが付与された。しかし、有効期限が3日程度しかない。だが、それを使うとその時点から定額サービスが開始になってしまうため、考えたあげく放置した。

毎日のように「有効期限まで残りわずか」「今日の23:59まで」と通知が来たが無視。すると、いざ期限が切れた翌日に「おめでとうございます! 特別に1万円分のポイントをプレゼントします」という新しい通知が届いたのだ。そんなものなのだ。

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