「不動産投資」は金持ちほど圧倒的に有利な理由 「利益ゼロの人」「大儲けする人」の大差

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アパートは12室あり、毎月の家賃は5万円だとすると、1室当たり年間60万円の家賃収入が得られ、12室合計では720万円ということになります。家賃収入は年間720万円ですが、これは純粋な利益とはいえません。この例は12室が満室であることを意味していますが、もし1室だけ借り手がつかず、空き部屋だった場合には、年間の家賃収入は660万円に下がってしまいます。

また、アパートを経営するために必要な経費というものが存在します。もっとも大きいのは、不動産会社に対する手数料と修繕費です。

マンションにかかるさまざまなコスト

部屋を貸して家賃収入を得るためには、その部屋に住んでくれる住人を探し、賃貸契約を締結し、毎月、家賃を徴収する必要があります。また、家の中で壊れたところなどは所有者の責任で修繕する必要がありますから、そうした経費も捻出しなければなりません。住人からのクレームや近所とのトラブルを処理するといった仕事もあります。

こうした作業をすべて自前で行うのはほぼ不可能ですから、多くは不動産会社と契約して、管理業務や募集業務を代行してもらうことになります。一般的に管理を代行する不動産会社は、毎月の家賃の5%程度を手数料として徴収し、さらに募集のときなどは家賃の1カ月分程度のお金がかかります。不動産会社に5%の手数料を支払った場合、年間約35万円の支出となりますし、募集時には追加で手数料が必要となりますから、家賃収入はさらに下がって600万円程度になる可能性が高いでしょう。

10年に1回はそれなりに部屋や外装をリニューアルする必要がありますし、退去時に部屋が汚れていれば、敷金で徴収した金額以上をクリーニングなどに費やす必要も出てきます。そうなってくると実質的な家賃収入はさらに下がり、550万円程度になってしまうかもしれません。

さらに不動産収入を得た場合、税金の支払いも必要となってきますから、手元のお金はさらに少なくなって、500万円程度になる可能性もあるでしょう。銀行への返済はすべての経費を差し引いた残りから行われますので、年間500万円の家賃収入しか得られない場合、余ったお金はすべて返済に回る可能性が出てきます。現実には銀行への利子の支払いも加わってきます。

つまりこのケースは表面上、720万円の家賃が得られていても、実質的な利益という意味ではゼロになってしまうわけです。これでは不動産に投資している意味がなくなってしまいますが、はたしてこのケースは最悪のレベルなのでしょうか。実はそうでもないというところが重要です。

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