ダイハツ「新型タント」はN-BOXに勝てるのか 7月から発売、販売台数で首位奪還を目指す

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ホンダは、軽自動車を開発したことがない人物をN-BOXの開発責任者とし、登録車では当たり前の発想を軽自動車に持ち込み、斬新さを使い勝手で示した。また、軽自動車という概念にこだわらない品質にもこだわった。その結果、登録車からの乗り換えが多いのも強みとなっている。

スーパーハイト系という価値を生み出したのはタントである。しかし2018年に関しては2位を保持することさえできず、スズキのスペーシアにその座を明け渡した。なおかつ3位に日産デイズが入り、4位にまで後退してしまうのである。そうした状況を一気に挽回すべく、今回、待望のフルモデルチェンジを迎えた。

7月9日に行われた新車発表会で、ダイハツの奥平総一郎社長は「タントはダイハツの基幹車種に成長した」と述べ、その重要性に触れた。同時に「軽自動車販売で13年連続ナンバーワンである」(同)と、軽自動車の商品力への自信をのぞかせた。

DNGA第1弾となったタント

その自信は、どこからくるのか。まず、最適な商品をこれまで以上速やかに提供する基盤として、DNGAを挙げる。DNGAとは、ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーのことであり、その語呂は、トヨタのTNGAに通じる。

しかし3年前にトヨタの完全子会社となったダイハツが、TNGAの手法を単にまねたわけではない。軽自動車開発で培った良品廉価の技術を、東南アジアなど海外展開へも適応できる技術として投入した独自の技術骨格である。

新型タントの運転席の様子(撮影:尾形文繁)

そのDNGA第1弾となったのが、今回発表された4代目となる新型タントだ。当然ながら、通称名別新車販売で、前型タントが2014年にN-BOXを上回ったように、再び1位を奪い返す意気込みであるのは間違いない。

2003年に誕生した初代タントは、子育て家族を応援するクルマとして、ムーヴなどそれまでのハイトワゴンよりさらに背を高くし、室内天井が高くなることで車内での子供の世話をしやすくしたことが人気を呼んだ。

2代目では、スーパーハイトワゴンで不可欠とされるミニバンのような後席スライドドアを、歩道側のみ、前後ドア間の支柱をなくし、ミラクルオープンドアと命名して、これがタントの人気を不動のものとした。この方式は、今日なおN-BOXもスペーシアも採用していない。3代目のタントではこれを、左右両側のドアにも適用した。

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