熱中症を軽視する人はこの危険をわかってない 対処を間違えると健康な若者でも命を落とす

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温暖化が進む中で適切な対処法を知っておくことは肝要です(写真:ugurhan/iStock)

梅雨が明けた。今年は6月下旬から曇りや雨が続き、7月前半の日照時間は東京で平年の14%だ。気温も平年より3℃くらい低く、過ごしやすかった。これから一気に気温が上がり、猛暑がやってくる。

猛暑といえば熱中症だ。厚労省によれば2017年の死者数は635人で、78%が65歳以上だった。統計情報が未公開だが、猛暑だった2018年の死者数はさらに多いだろう。急速に暑くなる今年も油断できない。本稿では熱中症対策について解説したい。

50代の男性が、炎天下での仕事中に…

私が初めて熱中症の患者を診察したのは1994年の夏だった。7月に北朝鮮の金日成が死去し、8月にはアメリカ・メジャーリーグベースボールで232日にわたるストライキが始まった年だった。

この年の夏は暑く、後に「1994年猛暑」と言われる。8月3日に東京都千代田区で39.1℃を記録し、大分県日田市では22日間連続で猛暑日(最高気温が35℃以上の日)が続いた。現在も破られていない日本記録だ。

この年、私は大宮赤十字病院(現・さいたま赤十字病院)の2年目の内科研修医だった。

7月半ば、私は意識障害で救急搬送されてきた50代の男性患者を受け持った。初診時の診察で体は焼けるように暑かった。正確な体温は覚えていないが40℃以上はあったと思う。皮膚は乾いており、心電図モニターをつけると不整脈が頻発していた。血圧は低下しており、集中治療管理となった。

指導医が「典型的な熱中症」と教えてくれた。体外・体内から冷却し、10リットル程度の点滴を続けたが、状態は改善しなかった。やがて、全身に皮下出血が生じた。最終的には腹腔内出血で亡くなられてしまった。

この患者は工事現場の労働者で、猛暑の中での作業中に倒れた。熱中症による循環不全が生じ、播種性血管内凝固症候群(DIC)という合併症を起こした。DICになると出血が止まらなくなる。このため、皮下出血がおこり、腹腔内にも出血する。これが命取りとなった。

このような炎天下での労働やスポーツによって引き起こされる熱中症を労作性熱中症と呼ぶ。患者の多くは健康な若年者で、自分の限界を超えて頑張りすぎることが原因とされている。

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