会社全体の平均年齢は30代ですが、業歴が長くなり、ベテラン社員で定年を迎える社員も出てきました。さらに日本における少子高齢化の進展を踏まえて、労働力の確保に対する対策として取り組んだようです。
ただし、こうした会社はまだほんの一部。全体を見渡せば、すべての会社が60歳以上でもやりがいをもてる職場環境の整備を前向きに行う状況ではありません。問題意識が高まる環境の会社から順番に取り組まれていくことでしょうが、あなたの会社はどうでしょうか。
「管理職は年長者の役割」という考えは捨てよう
どうせ取り組むなら、ハッピーな状態で60歳以降も働ける職場環境を構築したいもの。そのために会社が取り組まなければならないことがあります。それは年齢にこだわらずにマネジメントが行われる職場環境への改革です。
今さらのように思えるかもしれませんが、「管理職は年長者の役割」という認識から脱却できていない職場がいまだに多数、存在します。30歳、40歳と年齢によるモデル賃金、管理職になる適性年齢が決まっていて、定年まで立場の逆転が起きない年功序列の仕組みが多くの会社で厳然と存在するのです。こうした仕組みは徐々に崩れつつありますが、年長者がマネジメントする風土が残ったままの会社も相当数あります。
こうした、職場でも60歳を超えた社員が働くようになると「年下の管理職」がマネジメントをする機会が増えざるえなくなります。そもそも、年下の管理職になると「入社したときの上司や大先輩が部下になり、気苦労が絶えない」と悩みが増えます。過去のしがらみによるものですが、年齢にこだわらないマネジメントへの転換に向けて、管理職に加えて社員も巻き込んで意識改革していくと、しがらみも次第に消えていきます。
これはチェンジ・マネジメントと呼ばれる手法で、社会情勢の変化や、競争環境の変動などを全社員に容認させることを目的としています。これまで存在していた、年功序列や定年は60歳でそれ以降は働かないという発想からの変化を、組織で推進するのです。それには、まずは目的の共有からはじめていくべきでしょう。
「定年を70歳に延長しました」→「なぜですか?」→「政府の方針に追随するからです」――。こういった受け身の姿勢では、なかなかうまくはいかないでしょう。
そうではなく、会社として取り組む理由を明確にして、その取り組みが会社と個人にとって有意義であることを説明できるように、しっかりと掘り下げるのです。そうして掘り下げた目的を社員間の共通認識とすることで、チェンジ・マネジメントが進みます。そうして、年齢を問わずに働ける職場が少しずつ実現していくはずです。
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