相続人の「関係者」が遺産分割をこじらせる 決してやってはいけない「相続」3ポイント
「しかし、住まない家でも固定資産税はかかります。雑草などで近所から苦情が来ることもありますから、放置していいことはありません」(本郷先生)。
誰も住まなくなった家は傷みやすくなりますし、庭木の枝が隣家に及んでトラブルになることもあります。それを防ぐために、地元の不動産会社などが定期的に見回りをしてくれる「空き家管理サービス」も増えていますが、費用がかかります。
「財産放棄」の落とし穴
いっそのこと、相続放棄をした方がいいのか――。そう考える人もいるでしょうが、注意しなければならない点もあります。
まず、一部の財産だけを放棄することはできません。放棄するのであれば、全ての相続を放棄することになります。預貯金などがあったとしても受け取れなくなります。
「放棄した人は最初から相続人ではなかった扱いになります」(本郷先生)。
例えば、妻と子が相続人の場合、2人が相続放棄すると、亡くなった人の両親や兄弟が相続人になる可能性があります。自分たちが放棄してもそれで終わりではありません。ほかの親族に影響を及ぼし、トラブルになる可能性があることを知っておく必要があります。
1、全ての相続財産を手放すことになる。
2、一度相続放棄をすると2 取り消しはできない。
3、相続の順位が変わり、トラブルが発生することも。
(取材・文/向山 勇 イラスト/山崎のぶこ)
本郷 尚(ほんごう・たかし)先生/1947年生まれ。1973年、税理士登録。1975年、本郷会計事務所開業。現在、株式会社タクトコンサルティング会長。著書に『改訂新版 女の相続 ~SIX STORIES~』『笑う税金』『こころの相続』など。
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