相続人の「関係者」が遺産分割をこじらせる 決してやってはいけない「相続」3ポイント
遺産分割をこじらせる原因となるのが相続人の関係者です。税理士の本郷尚先生はこう指摘します。「相続人の配偶者などが遺産分割協議に参加するとトラブルの元です」。
相続人が配偶者や子どもにアドバイスを受けるのはかまいませんが、遺産分割の話し合いの場にまで参加すると、収拾がつかなくなってしまいます。
相続人であれば、親族ですから多少の遠慮や気遣いがあります。しかし、配偶者や子どもは相続人に比べてその気持ちは薄いですから、遠慮がありません。「これが最後のチャンス」とばかりに権利を主張することになるのです。
家族がバラバラになることは避けたい
「相続で多少もめたとしても、親族であればその後に関係の修復ができるかもしれませんが、配偶者同士などがもめると、関係がとだえてしまうこともあります」(本郷先生)
相続で家族がバラバラになってしまうことほど、不幸なことはありません。それを避けるために相続人以外は、遺産分割協議に顔も口も出さないのが賢明なのです。
さらに効果的なのは、親が遺言を書くこと。遺言があれば遺産分割協議は必要ありません。遺言通りに財産を分ければいいですし、親の気持ちが伝われば相続人も納得しやすいのです。
■こんな事例も!68歳女性の場合
夫も子どももいない叔母が亡くなったとき、近くに住み面倒を見ていた別の叔母が「自分が全て相続する」と言い出しトラブルに発展しました。口約束だけで遺言がなかったことが原因です。遺産分割の話し合いはなかなかまとまらず、裁判にまで発展してしまいました。疲れました。
相続人には、最低限保証された相続分があります。これを遺留分といいます。この権利は遺言でも侵すことができません。
ところが、「長男に全ての財産を相続させる」などと、遺留分を無視した遺言を書いてしまうことがあります。その理由はさまざまでしょう。