さらに、吉本は続けた。
「僕は、大学時代は部活と勉強に明け暮れて終わってしまったし、社会に出てからも、恋愛らしい恋愛をしてこなかった。この連載の過去記事に、『恋愛経験のない人は、とにかくバッターボックスに立て』ということが書いてあったけれど、やり方もわからないのにバッターボックスに立ったって、100球のボールが来ても100球空振りになりますよ。
軍隊でブートキャンプに入れば、弾の撃ち方を教えてくれますよね。婚活も一緒で、自分がどこをどう直せばいいのか、どうすれば成功するのかを個別でチューニングしてほしいんです。そのやり方が知りたいんです」
婚活が成功しない人への処方箋
吉本は1時間の面談のうちに、ここには書き尽くせないほどの迷いを口にした。
努力家なのだろう。だから猛勉強をして、いい大学に入った。大手企業に就職をした。仕事では成果を残しているという自負ある。
婚活にも人一倍努力をした。恋愛や婚活を成功させるためたくさんの書物を読み、結婚相談所を4社ハシゴし、お見合い回数を重ねてきた。頑張ってきただけに、うまくいかないことがもどかしく、腹立たしいのではないか。
私は、吉本に言った。
「まず、ここだけは押さえておきましょう。婚活は、どんなに頑張ってもうまくいかないことがある。なぜなら努力をしても、人の気持ちだけは手に入らないことがあるからです」
そして、こんな説明をした。
男性は、女性を好きになるときに見た目から入る。見た目がタイプなら、多少性格が悪くともその女性を好きになる。ところが、女性は男性をトータルで評価して好きになる。もちろん、男性の見た目がドンピシャのタイプだったら、一瞬で恋に落ちるかもしれない。
しかし、多くの場合、見た目がタイプでなかったとしても、話をしていて面白かったり、優しかったり、経歴が素晴らしかったりすると、トータルのバランスを見て、それで好きになっていく。
男性と女性とでは、異性を好きになるスピードが違うのだ。
「吉本さんみたいなタイプは、気に入った女性には猪突猛進。早い段階で、ものすごく一生懸命になってしまうと思うんですね。でも、女性はまだ男性を好きになっていないから、その一生懸命さに気持ちが引いてしまう。最初はどんなに好きでもゆる~く、手綱を持つような感覚でいたほうがいいんです」
飲食3回の壁についても、こんな説明をした。
「これは、3回をただ突破すればいいというものではないんですよ。成婚していくカップルというのは、間を空けずに3回の飲食を終えているんです」
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