「爽やかなスポーツマンという印象ですよ」と答えると、大きなため息をつきながら言った。
「お見合いは3年間のうちに、100回くらいしたと思います。50回までは記録していたんですが、そこを超えたときからむなしくなって、数えるのをやめました。3年間で婚活に投資したお金は、軽く200万円を越えています。それがすべてパァです」
男性によくありがちなのだが、婚活した時間とそこにかかったお金のコストを計算する。そして、ぼやく。
「婚活ほど、コスパの悪い活動はない」
吉本は、続けた。
「お見合いでもデートでも、僕は女性にお金を払わせたことは一度もないですよ。それなのに女性の中には、『ごちそうさま』も言わない人がいる。当たり前の顔をしてレジの前を素通りして、『今日は、ありがとうございました』もなく別れて、翌日、相談室を通じてお断りが来る。こんな態度を取られると、食い逃げされた気分ですよ」
結婚相談所には、“お断りは、仲人を通して伝える”というルールがあるので、デートの翌日に、いきなり “交際終了”が来るのは仕方ないことだ。女性たちがデートの別れ際に愛想が悪かったのも、“もうこの男性と会うことはない”と思ったからだろう。しかし、「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」と、お礼を言うのは、女性たちも最低のマナーではないだろうか。
「飲食3回の壁」が越えられない
「以前の記事で、“婚活には、飲食3回の壁”があると書いていましたよね。その3回の壁が越えられない。お見合いの後、1回か2回食事をすると、お断りが来てしまうんです」
“飲食3回の壁”とは婚活の不文律で、お見合いをして“可もなく不可もなし”だった場合は、もう一度会ってみようと“交際希望”を出すことが多い。そして、次のデートに進み、ここでも“可もなく不可もなし”だったら、もう一度だけ会って判断をしようとする。しかし、3回目に会ったときに“可もなく不可もなし”だったとすると、4回目に“また会ってみよう”という気持ちにはならない。それが、人間の心理だ。
「お見合いを始めて20連敗したときに、何が悪いのが自分ではわからなかったのでネット検索をして、恋愛セミナーに行ってみたんです。そうしたら、『人の気持ちをつかむには、“さしすせそ”があります』って、そんな程度の内容でした(苦笑)」
これは、話し方教室や恋愛セミナーでは鉄板で教えていることだ。話の相づちに「さすが~」「知らなかった!」「すご~い」「センスいいですね」「そうなんですね」を使うと、相手の気持ちがつかめるというものだ。
「おいおいおい、そんなのどこにでも書いてあるし、もう知っているし。知りたいのは、そういうことじゃないんだ、と思っちゃったんですね」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら