男性会員は、生まれて初めてのお見合いだった。大阪出身の彼に、女性が、「大阪って、やっぱり粉物文化ですよね。一家に一台たこ焼き器があると聞きますし」と話を振った。すると、こんな返しをした。
「大阪の粉物はおいしいですよ。でも、うちにはたこ焼き器はありません。あと、こっちに住むようになってからは、たこ焼きは食べませんね。関東のたこ焼は、油をたっぷり使って揚げ焼きする。あれはたこ焼ではありませんよ」
油で揚げる話題から、フライドポテトの話になった。女性は、「ファストフードのフライドポテトって、ついつい食べちゃいます」と茶目っ気たっぷりに言った。それに対しての彼の答えが、こうだった。
「〇〇のフライドポテトは、塩っ辛い。この間、『塩を振る量を減らしてもらえませんか?』と頼んだら、『新たに作るのでお時間かかるけれど、いいですか?』と言うんで、待つのも面倒だから、『じゃあ、できているのでいいです』と言って、食べるときに1本1本塩を落として食べましたよ」
このお見合いを終えた後に、私は彼に、「あなたの会話は、すべてがマイナスな方向に振れていて、着地点がすべてマイナスだったわよ」とフィードバックした。
彼にまったく悪気はなかったし、自分がマイナスな会話をしている意識はなかった。
「言われて初めて気がつきましたよ。大阪って自虐して笑いを取るようなところがあるから、何か自分を落とす癖が身に付いているのかもしれないですね。これから気をつけます」と、とても素直に、私のアドバイスを聞いてくれた。
マイナスなことを言っていると、負の連鎖を呼ぶ
この話をすると、吉本にも気づくことがあったようだ。
「確かに今、指摘された通りです。僕の話は、マイナスにばかり着地していました」
物事は、プラスに捉えるか、マイナスに捉えるか分かれるが、プラスとマイナスでは、マイナスに引っ張る力のほうが強い。だからマイナスなことを言っていると、物事はどんどんそちらに流れていくし、負の連鎖を呼ぶ。
「同じ話題で話をしても、着地点がプラスになるか、マイナスになるかで、その話の印象が、ガラリと変わっていくんですよ」
私の言葉に、初めて晴れやかな表情を浮かべて吉本が言った。
「今、1つ組めているお見合いがあるんですけど、それには、これまでとは違う心持ちで臨みたいと思います。話の着地点は、プラスになるように心がけでみます」
ぜひとも、女性が楽しい気持ちになれるようなお見合いを心がけてほしい。
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