選択肢が多すぎて、相手を見つけにくい
「たった1人の結婚相手を見つける」
実はこれが、とても難しい。インターネットの発達によって、見知らぬ人たちとサイトを通じて簡単に出会えるようになった時代。やる気になれば、100人の相手と出会える。しかし、その中に結婚したいと思える相手がいるとは限らない。
明治、大正、昭和初期のように、親が決めた相手や写真を交換すればもうそこで結婚が決まるような時代ではないのだ。選択肢が多すぎるから、目移りするし、何を判断基準にしていいのか迷ってしまう。
先日、都内の医療関係の会社で事務をしているという佐野素子(32歳、仮名)が、婚活相談にやってきた。童顔で小柄な、年よりも若く見えるかわいらしい女性だった。
「2年半付き合っている同じ歳の恋人がいます。2人とも1人暮らしだったので、お互いの家を行き来したり、時には泊まったりするようなお付き合いをしていました。30歳を超えて、私は結婚を意識するようになったのですが、彼からはまったく結婚の話が出てこなかったんですね」
恋人の井上洋治(仮名)は、友人3人と小さなIT会社を立ちあげ、一方でフリーのイラストレーターをして生計を立てていた。
「私は彼のことが好きだったし、結婚を無理強いして2人の関係が終わってしまうのが怖かったので、言い出せずにいました。ただ、どこかのタイミングで話をしたい気持ちはありました」
そんなときに、住んでいたアパートの更新時期が来た。言うならこのタイミングだと思った。そこで、結婚という言葉は出さずに、こう切り出してみた。
「私、年明けにマンションの更新があるんだけれど、どうしたらいいと思う?」
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