1人の結婚相手を見つける、たった1つの方法 婚活アプリで100人と会うことも可能だが…

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また、公務員の男性とは、こんなこともあった。

「食事中に肩を抱いてきたり、手を握ってきたりと、失礼なこともなかったし、会話も楽しかったし、誠実なものを感じたんですね」

ところが、会計を終えて外に出たら手をつないできて、駅とは反対のホテル街の方向に歩き出した。

「あの、駅は、あっちですけど」と立ち止まると、さらにつないでいた手に力を込めて、「今夜は泊まっていこうよ」と言いながらずんずん歩いていったという。

「ああ、この人もか、と思ってつないでいた手を振り払って、『私、帰ります』って、逃げるように駅まで走っていきました」

そんな中で、やっとアプリで気の合う男性に出会うことができた。会社も大手メーカーで仕事も安定していた。出会ったその日に名刺をくれたので、身元確認もできた気がしていた。

「週末は、土日のどちらかで会っていたんですが、1カ月くらいしたら、『今週は忙しい』と言われて。それから、毎日来ていたLINEが来なくなって、私がLINEを入れても既読にならなくなった。

もしかして仕事が忙しすぎて、体調を崩して倒れたんじゃないかと心配になって、もらっていた名刺の番号に電話をしたんです。そうしたら、『この番号は現在使われておりません』のアナウンスが流れた。最初から、すべてが騙しだったんですよ」

たった1人を見つけるのが難しい

これまでの話を一気に語り終えると、素子は言った。

「私は、結婚に見放されているんでしょうか? 2年半も付き合っている男性には、結婚してもらえない。アプリでは、ろくな男性に出会えない。たった1人の人を見つければいいのに、その1人が見つからない。

今の彼とこのまま付き合っていれば、いつかは結婚してくれるかもしれないっていう淡い期待もあるし、それよりも婚活して結婚できる人を探したほうがいいという気持ちもあるし、どうしたらいいかわからなくて今日はここに来ました」

そんな素子に私は言った。

「結婚が人生のすべてではないから、結婚するかしないかは、ご自身が決めればよいことだと思います。ただ、結婚は“決断”なんですね。今結婚が決断できない人は、3年後も5年後も結婚を決断しないですよ」

結婚をするとは、どういうことか? 婚姻届を出すことで、両親、兄弟、親戚などの血縁関係者がひもづく。2人だけの関係性ではなくなる。また、そこには責任が伴う。

男女平等の社会なのだから、結婚に伴う責任に関しても平等なはずなのだが、日本の社会においては、男性のほうがそれを重たく感じる風潮にある。“一家の大黒柱になって、女房子どもを養う”という、意識の刷り込みがあるからだ。女性が“専業主婦”になることは簡単にできるのだが、男性が“専業主夫”になるには、どこかで男のプライドを捨てないといけない。

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