メンバー全員が、職を持つママ
こうして、「東京ワーキングママ大学」の構想は固まった。運営メンバーは、「キラきゃりママ」を介して出会った人たちに、「この指とまれ方式」で募っていった。
「コンテンツを作るチーム、渉外営業チーム、プロモーションチームなど役割ごとにチーム・ビルディングし、打ち合わせや情報共有はフェイスブックを活用しています。基本的に、昼休みや移動中に、作業してくれていますが、中には、会社帰りに歩きながら、スカイプを使った会議に参加してくれる人もいるほどの熱気」だという。
もっとも、現在20人ほどいる運営メンバーは、ほぼ全員が仕事を持つワーキングマザーだ。ただでさえ難儀な仕事と子育ての両立に加え、無報酬のボランティアでママ大学の設立準備をするには、半端ではないモチベーションが必要だろう。
どのように、チームメンバーを統率し、メンバーの士気を高めているのか?
「『このプロジェクトを絶対に成功させよう』『ママ大学を立ち上げよう』という強い意欲がある人でなければ続かないと思ったので、自ら手を挙げてくれた人のみでチーム編成しようと、最初から決めていました。また、以前に、リーダーが2人状態になってしまい、チーム作りに失敗したことがあったので、その時の教訓を生かして、メンバー同士はあえてキャラクターがかぶらないように配慮しました。
さらに、メンバーには自分の強みがわかるWeb診断を受けてもらい、それぞれの強みがどこにあるのかを把握するようにしました」
それでも、チーム発足当初は皆、一様に高かったモチベーションも、時間の経過と共に下がってくる。リーダーの大洲さんは、そのケアにも細心の注意を払う。
「体調を崩した人やモチベーションが下がった人には、『今は休みましょうね』と言って負担を減らすなどしています」
その成果は、着実に結果になりつつある。
「昨年10月に行った『ワーキングマザー・フォーラム』は、メンバーが交渉した結果、東京ミッドタウン内のヤフーの会議室を無料で貸していただくことに成功。有料にもかかわらず、200人のワーキングマザーを集めることができました」
そして現在は、秋に予定している東京ワーキングママ大学の1期生を迎える準備に追われる毎日だ。
「リーダーシップや交渉力から、ネットワーキング、ITスキルまで各界の先達から学び、未来の“ママ・リーダー”を養成することを目指しています。具体的には、ペンシルベニア大のウォートン校で行われる、『トータル・リーダーシップ』という家庭と職場とコミュニティでリーダーシップを発揮する手法や、子どもと同時に学べる『親子留学プログラム』などを用意する予定です」
「日本初のママ向けビジネススクール」を標榜するのにふさわしい内容を、目指している。
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