外国人が驚いた日本の「魚料理」の当たり前 魚焼きグリルや昆布を使う技術に驚嘆
「アメリカでは、魚と言えばフライと考えている人も少なくない。それは子どもの頃からフライを食べて育ってきたことにも問題があると思います。私の両親は釣りをして、それを料理しました。切り身を食べて育ったので、フライは奇妙な食べ方だと思っていました。しかし、私の夫のマイクはフライを食べて育ち、それが魚料理だと思っていたのです」
だが、夫は取材来日を機に、苦手だった生魚のすしを食べるように。世界中で食べられているすしをマイク氏が苦手だった理由は、日本以外では冷凍魚をよく使うからではないかと話す。「今では少し高くても、質の高いすしを食べるようにしています。シアトルではそれが可能ですから」。
魚を食べ慣れていないことの“弊害”
とはいえ、すしが身近になったからといって、アメリカ人が魚を好むようになったとは言えない、とフリン氏は話す。
「人々は今でも、3、4種類の魚しか食べていません。スーパーには、鮭、ティラピアなど7、8種類しか置いていないのです。その魚には香りがありません。多くのアメリカ人にとってそれは、単に鶏の胸肉のように白くておいしくない『たんぱく源』にすぎないのです。たまにマスを見つけることはできますが、それもめったにない。だから多くのアメリカ人は魚を食べないのです」
魚を食べ慣れていないことによる“弊害”もある。「多くの人はメロを好んで食べますが、レストランで注文するとき、それがどこで獲れたものなのかまでは誰も気にしていません。
チェーンの安いレストランでは、お皿いっぱいに魚を出しているけれど、人々はその半分も食べないで、残りは捨てられてしまう。そういう光景を見ると胸が痛みます。メディアなどで取り上げられてはいるけれど、アメリカ人にとって食品ロスは関心のない話なのだと」。
今回の企画に際し、フリン氏は手はじめにSNSで魚食についての調査を行っている。すると1日で400人、最終的には1100人からコメントが寄せられ、魚食に関する問題には関心が高いが、混乱している人が多いと感じたという。なぜなら、魚は高たんぱく低脂質とヘルシーな一方で、世界的に乱獲が問題になっているからだ。
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