「日韓関係崩壊」で笑うのは中国だという皮肉 アメリカの無関心さが最悪な事態を招いた
日本と韓国の政府高官が7月上旬、首都・ワシントンをそれぞれ訪れ、アメリカ政府高官らに対し自国の立場を訴えた。日韓両国が全面的な経済戦争に突入する瀬戸際まで来ているからだ。だが、双方ともアメリカ側に仲裁する意思が明らかにないため、失意のうちにワシントンを後にした。韓国と日本に駐在する、アメリカの上級外交官たちの姿勢と変わらない反応しか得られなかったからだ。
「仲裁する気も関与する予定もない。北東アジア地域における主要な問題、とくに北朝鮮に関して双方が再び協力するようひたすら求めるだけだ」と、アメリカ国務省の東アジア・太平洋担当デビッド・スティルウェル次官補はNHKの取材に対して述べた。
ようやくアメリカが動き出す
しかし7月15日になると、アメリカ政府の態度は一変した。「複数の政府高官によると、現在この件に『関与』すべくチームを発足させる動きがあるらしい。なぜなら日韓関係の悪化がアメリカの戦略的利益をむしばみつつあるからだ」と、かつてジョージ・W・ブッシュ政権時に国家安全保障会議アジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏は明かす。
政府高官らは、グリーン氏のようなアジア通だけでなく、バラク・オバマ政権で国家安全保障会議アジア上級部長を務めたエヴァン・メデイロス氏などの元政府高官たちと密接に協議を重ねているという。
ドナルド・トランプ政権に近い関係者によれば、アジアの国家安全保障会議上級部長のマシュー・ポッティンガー氏は、今週末までに日本と韓国に向かい、深刻化する日韓関係の改善を試みようとしている。日本が韓国に課した輸出規制、そして、韓国の文在寅大統領が7月15日に発表した強硬声明は、韓国の実業家と社会に対し、日本との長期的な経済紛争に備え、日本のサプライヤーへの依存を終わらせる必要があると呼びかけたが、こうした動きにアメリカの政府関係者は深い懸念を示している。
「アメリカ側は、日韓関係が急激に悪化していることについて少々驚いている」と、この関係者は話す。「トランプ政権の見解は、これはすべて文大統領に責任があるが、これに対して日本が予想だにしなかったダイナミクスを作り出してしまった」。
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