トヨタがジュニアゴルフに今でも協賛する理由 さまざま撤退する中、なぜ冠スポンサーに?

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世界70を超える国・地域で予選を勝ち抜いた24カ国(男子15カ国、女子9カ国)のトップレベルの選手が集まる大会であるため、世界のゴルフジュニアの間では「トヨタカップ」の通称で知られ、この大会に出ることが1つの目標だ。

その証しとして、今年のマスターズ出場選手の内23人がこの「トヨタカップ」の参加者でもある。

また、今年の全米オープンのベスト10に入った選手の内4人がこの大会の過去の出場選手である。

ジャスティン・ローズ(英):3位タイ
ジョン・ラーム(スペイン):3位タイ
ルイ・ウーストハイゼン(南ア):7位タイ
ヘンリク・ステンソン(スウェーデン):9位タイ
大会のサブチェアマンの田頭英治氏(筆者撮影)

ジャスティン・ローズはこの大会に寄せて「すばらしい時間をチームのみんなと過ごしてください。そしてみなさんは国を代表してプレーするのだということを忘れないようにしてください」とエールのメッセージを送っている。

また、アメリカのトランプ大統領からもメッセージが寄せられた。

冠をつけるだけでなく心の通った活動をする

トヨタ自動車にこの大会に協賛する意義を問い合わせ、第1国内販売部のメディア・イベントPT 小関由香里氏から回答を得た。

「トヨタは将来のゴルフ界を担う選手の育成と国際交流を願い、2002年より『トヨタジュニアゴルフワールドカップ』として協賛を実施しています。文化交流会や開会式へ社員が通訳ボランティアとして参加するなど、来日した海外選手への物的人的サポートを行うことも支援の1つとしており、冠をつけるのみの支援ではなく、心の通った活動とするよう心がけています」とのことだ。

トヨタのHPを見ると「トヨタとスポーツ」との見出しがあり、「トヨタは、創業以来、どんなに本業が厳しい状況でも、また、社を取り巻く環境が大きく変わっても、一貫してスポーツの持つ『力』を信じ、スポーツを通じて、従業員の一体感を醸成し、士気を高めてきた歴史を誇りに思うと共に大切にしています。『チャレンジ』『ネバーギブアップ』『チームワーク』『リスペクト』といったスポーツの力は、トヨタが大切にしてきた価値観、企業風土そのものです。

世界中で日々、様々なアスリートが地道に、強い意志と忍耐を持って挑戦を続けています。トヨタはこれからも、すべての人が自分自身の不可能に挑戦することが出来る、開かれた社会の実現を目指して、努力を重ねていきたいと考えています」とトヨタとスポーツの深い関わり合いが述べられている。

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