トヨタがジュニアゴルフに今でも協賛する理由 さまざま撤退する中、なぜ冠スポンサーに?

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現在「トヨタ/TOYOTA」の冠がついているスポーツ大会は冒頭に述べたようにこのジュニアゴルフ国別対抗戦だけである。予選を含めて70カ国を超える国を地域での予選を勝ち抜いた男子15カ国、女子9カ国の選手が母国の名誉をかけて世界一を競い合うことで、「トヨタ/TOYOTA」のブランドがジュニア世代の間でも広く浸透することは間違いない。

また、参加選手にとっても、世界各地のトップレベルの選手と対戦することは、勝ち負けを含めて大きな経験となり、世界での自分のレベルを確認することもできる。

女子のラウンドのスタート風景(筆者撮影)

日本人選手が世界で挑戦するためにも意義がある

自国や地域でさらにレベルアップし、この大会の経験者の活躍を見ればわかるとおり、再び世界の大会でも相まみえることになるであろう。ジュニアのときの対戦経験は、たとえメジャー大会においても、自信や落ち着きとなり戦うことができる。この大会の日本人の過去出場者には松山英樹、小平智などがいる。日本人選手が世界へ挑戦するうえでも意義がある。

参加選手の中からマスターズ、全米オープンなどのメジャー大会で活躍する選手を多く輩出していることは、世界のゴルフ界、スポーツ界の発展につながっていることは間違いない。

ただ、残念なことにこの大会の日本での知名度はまだまだ低い。今年の大会は終わったが、来年も6月に開催される。世界で知られているジュニアゴルフの戦いが毎年日本で開催されることに注目である。トヨタがサッカーでなく、ゴルフの世界大会を継続していることを地元の日本はもっと活用しなければならないのではないか。トヨタがこの大会をサポートし続けることを願うばかりである。

(文中一部敬称略)

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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