会社で「殿、ご乱心」に遭遇したらどうする? 細川護熙氏の都知事選出馬から考える

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東京都知事選で、細川護熙氏が「脱原発」を掲げて立候補を表明しました。知事選に出馬するのは、国家の危機を救いたいという思いがあってのことのようです。応援団として小泉純一郎氏と元首相タッグを組んだことも話題に。郵政民営化をテーマに圧勝した小泉マジックが再び起こるのか? 大いに注目が集まっています。

「殿、ご乱心」。そのとき、あなたは……

周囲の反応はさまざまで、甘利明経済再生相は記者会見で、細川氏が肥後熊本藩主の家系であることにちなんで「殿、ご乱心」と発言。

「エネルギー政策は国策として、国民利益を考えながら取り組んでいかないといけない」

と語り、自治体の首長を選ぶ都知事選でエネルギー問題を争点化することに疑問を呈しています。

ちなみにご乱心とは正気の沙汰ではない、我を見失い怒り狂い、判断に分別がつかない状態のことを言います。こうした“ご乱心”に対して都民はどのような判断をするのでしょうか。

さて、あなたは職場で、殿のご乱心に遭遇したことありますか? 職場で殿にあたるのは経営トップ。いわゆる、社長による常軌を逸したとしか思えない発言・決断です。ちなみに当方は、リクルート社時代、流通業界大手(当時)であったダイエーグループの傘下に入るとき、それを経験しました。当時の創業オーナー(江副氏)が会社の社内放送システムを通じて、オーナーの持つ全株をダイエーグループに売却する決断をしたことが伝えられたのです。さらに決断に関して、事前に相談された役員は皆無に近かったことも、後日、明らかに。

「これは何かの間違いに違いない。明らかに社風の違う会社の傘下に入ったらリクルート社は、消えてなくなってしまうのでは」

借入金の大きさで冷静な判断ができない状態になってしまったのに違いない……まさに、殿のご乱心と思えた出来事でした。

当方が日頃取材していると、そうしたトップのご乱心と思える機会に遭遇した人が少なくありません。たとえば、

・社長の一言で好収益事業から撤退した

・身の丈に合わない企業買収を決断した

といったことです。社員からすれば「明らかに間違った」「まずい方向に進む」としか思えず、かつ会社が潰れるといった、最悪のシナリオさえ想像できます。

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