若い世代の4割は「年金繰り下げ増額」を選ぶ

「老後2000万円不足問題」でアンケート実施

選択次第で年金給付額を増やせる現在の制度改革の姿はあまり知られていない(デザイン:山根 佐保、写真:アフロ)

『週刊東洋経済』は、金融庁の報告書に端を発した「老後2000万円不足問題」が世間をにぎわせている中、緊急アンケート調査を実施した。そこからは、年金に対する根強い不信がある一方、制度を知ればそれを有利に使って、自らの年金額を高めようとする姿勢も強いことが明らかになった。

調査は6月7日~13日、20~64歳の男女1089人を対象にNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションに依頼して実施した。

アンケートではまず、60~70歳の間で自由に年金受給開始年齢を選択できる現行制度の下、「あなたは何歳での公的年金の受給開始を考えていますか」と聞いた。現在の年金制度では、受給開始を標準の65歳から遅らせることを繰り下げ(最大70歳まで)と呼び、65歳より前倒しすることを繰り上げ(最大60歳から)と呼んでいる。

70歳まで受給を遅らせれば42%アップ

繰り上げでは、1カ月前倒しするごとに年金が0.5%減額され、最大60歳の受給開始で65歳受給開始に比べ30%カットとなる。一方で繰り下げは1カ月遅らせるごとに年金が0.7%増額され、最大70歳の受給開始で42%アップとなる。増額された年金は一生涯続く。いずれも年金財政への影響は中立。国民一人ひとりがライフスタイルや高齢期の働き方に応じて選択できる制度だ。

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では、改めてアンケート結果を見てみよう。何歳での受給開始を考えているかとの質問に対し、標準の受給開始年齢である65歳と答えた人は全体の68.4%だった。66歳以上への繰り下げを考えている人は11.7%、60~64歳への繰り上げを考えている人は17.2%いた。

これを現実の繰り上げ・繰り下げ選択率と比べてみよう。厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、現在、繰り下げを選択している人は全体の1%強、繰り上げの選択は国民年金において19.7%だった(2017年度末に70歳だった年金受給権者が対象、この時点で厚生年金は繰り上げ受給制度の対象外)。

次ページ制度周知が徹底すれば選択率はさらに拡大する
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