現在の高齢者は、60代前半で厚生年金の受給(所得比例部分のみ)を開始しているため、いったん受け取り始めた年金を65歳でいったん止めて、66歳以降へ繰り下げることは選択しにくい。そのため、繰り下げ選択率は1%強と低い。だが、現役世代に聞いた今回のアンケートでは、実にそれの約10倍となる11.7%の人が繰り下げを選択すると答えている。単純に計算すれば今後、繰り下げを選択して年金を増額する人は、現在の10倍に拡大すると言えるだろう。
制度の周知が徹底すれば、選択率はさらに拡大するのは確実だ。今回のアンケートでは、繰り上げ・繰り下げ受給制度を「よく知っている」と答えたのは12.2%。「ある程度知っている」(42.3%)を加えても、国民の約半数しか繰り上げ・繰り下げ受給制度を知らないことがわかった。そこでアンケートで「よく知っている」と答えた人以外に、年金増減額など繰り上げ・繰り下げ受給制度の詳細を説明し、その後改めて希望する受給開始年齢を聞いてみた。
すると、繰り下げを選択する人が急増した。制度認知前の繰り下げ選択率11.6%に対して、認知後のそれは27.2%に拡大。一方で、繰り上げ選択率は16.4%から15.8%へとわずかに減少した。
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