「今年の夏は猛暑か冷夏か」を読み解くカギ 気温は「平年並み」大雨や台風への備えを

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それは、暑さのカギとなる太平洋高気圧の本州付近への張り出しが、期間の前半(7月〜8月前半)は平年より弱いものの、後半(8月後半〜9月)は平年並みになりそうだからです。

前半は太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱いことにより、梅雨前線がなかなか北に押し上げられず、梅雨明けが遅れるかもしれません。それに加えて、東・西日本には太平洋高気圧の周りから、雨雲のもととなる湿った空気が流れ込みやすくなります。湿った空気が梅雨前線に流れ込むことによって、前線の活動が活発になり、大雨をもたらすおそれがあります。

気象庁の3カ月予報の降水量は、7月は東・西日本は平年並みか多いと予想されています。8月と9月は、北・東・西日本でほぼ平年並みの見込みです。

さらに、太平洋高気圧の張り出しが弱いと、台風が日本に接近・上陸するコースをとりやすくなります。

台風は自ら進路を決めるものではない

日本の南で発生した台風は、太平洋高気圧の縁辺流に流されて北上し、偏西風にのって東よりに転向して速度を上げて進みます。台風自身が進路や速度を決めているのではなく、気圧配置や偏西風などの「場」が決めているのです。

台風が高気圧の中に入ってくることはないので、太平洋高気圧が日本列島を覆っていると、台風は日本を避けて進みます。しかし、太平洋高気圧が日本の南にとどまっていると、台風は太平洋高気圧の縁辺流に流されて、日本に向かいやすくなります。先日は、令和初めての台風となった台風3号が東・西日本に接近しました。

今後も、梅雨前線や台風による大雨に備えたほうがよさそうです。

記録的な猛暑だった昨年と今年を比べたときの決定的な違いの1つに、昨年の記録的な暑さをもたらした2つの高気圧が挙げられます。

1つは、夏の天気の主役ともいえる、日本の南に中心をもつ「太平洋高気圧」です。太平洋高気圧の張り出しが強いと、晴れて蒸し暑くなります。もう1つは、「チベット高気圧」です。大陸のチベット高原に中心があり、太平洋高気圧より上層に位置しています。

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