収益か投資家保護か「不動産情報サイト」の憂鬱

不正業者の締め出しにあの手この手

「情報の非対称性」が著しい不動産業界。業界も摘発に乗り出してはいるが……(記者撮影)

融資書類の改ざんを筆頭に、不正に手を染める業者に翻弄された投資用不動産業界。金融庁が実態解明に乗り出すほどの騒ぎとなったが、その余波は意外なところにまで及んでいる。

多くの不動産投資家が参考にするのが、売買の対象となる物件リストや不動産投資のセミナーを掲載している不動産情報サイトだ。サイトによっては、自社で不動産業界にまつわるニュースを配信しているものある。

不正業者に翻弄

不動産情報サイトの中でも最大手に位置するのが、東証1部上場のファーストロジックが運営する「楽待(らくまち)」だ。月間ページビューは2000万超、会員数は15万人を数え、自社で運営するニュースサイト「楽待 不動産投資新聞」では現場からのリアルな声を拾い上げる。

サイトは物件情報やセミナー情報の掲載料が主な収入源。したがって、投資家に物件売買を促す情報を発信するほうが会社にとってはプラスになる。ところが昨年8月、楽待はアパート建設会社「TATERU」の融資書類改ざんをいち早く報じた。このほか、不正を働いた業者に対しても、広告の一時的な取り下げや取引停止といったペナルティを科している。

投資家保護のためには不動産投資に冷や水を浴びせる情報でも発信する、という一見殊勝な対応に見える。ただ不正発覚前、楽待自身もTATERUの広告を掲載していた。事情を知る関係者からは、「結果的に不正の片棒を担いだことへの罪滅ぼしでは」という声も漏れる。

次ページサイト運営者にとっては苦渋の選択
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