育休をとるのは、圧倒的に女性であり、男性の取得者は該当者のわずか2%程度です。ですので、女性を雇うときにのみ、「3年間の育児休業」という植林のコストが加算され、企業は女性を敬遠してしまうのです。もし本当に育児休業3年というのであれば、男性もその期間の半分くらいとる、ということでないかぎり、これは現状より女性の雇用を難しくする政策提案と言わざるをえません。
面接する側に立ってみてください。ほかの条件が同じときに、3年も途中で休むかもしれない人をわざわざ優先して採ろうと思いますか? そうした個別の判断が累積した結果、「(子どもを産むつもりはないという女性を含めて)集団として」女性が差別されてしまいます。
自分自身の経験としてもそうですが、周りの人もみんな言っていました。「3年抱っこし放題」なんて言ってますが、3歳児は1時間抱っこし続けることすら大変なのです。さらに安倍政権では、主婦になることを優遇する配偶者控除を維持するといわれています。詳しくは別の回で論じますが、これは女性に対して、「主婦になるのは得だよ」というメッセージを出し続けることになります。
一方で、セットとしては男性の家事参加が求められるはずなのですが、政策でこの部分に触れているとは思えません。女性はパートで働いて、家事を全部やって、と考えているのでしょうか?
男性の家事参加、これは実は男性にとっても、それほど不利なことばかりではありません。よく女性の家事を賃金で計算するといくらになる、といった報道に触れたりしますが、逆はどうでしょう? 夫の積極的な家事参加は、妻の正規雇用を促進することがわかっています。前々回の「1億円儲ける方法」で説明したとおり、夫が毎日2時間家事をやり、妻が子育てで中断することなく働き続け、仮に年収が350万程度あったとすれば、夫の家事の時給は5000円になるはずです。自分の残業代の時給よりも高くなる男性は、たくさんいるのではないでしょうか。
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