パワートレーンはRC_01と同じく市販車リーフと同型モーターである「EM57型」と、同じく市販車リーフ(62kWhの「e+」)が搭載するリチウムイオンバッテリーで構成される。ただし、後輪駆動であったRC_01に対して今回のRC_02では前/後輪をそれぞれEM57型モーターで駆動するツインモーター方式による4輪駆動である点が大きく異なる。開発担当者によると、ツインモーター方式だが日産独自の技術で三菱の技術は入っていないという。リチウムイオンバッテリーは容量こそ市販車と同じだが、車体中央部に縦型配置とするためバッテリーパックの並びなどを再構築した。
ツインモーターと62kWhバッテリーによるスペックは約326PS(240kW)の出力と65.3kgf・m(640Nm)と強力。さらに車載のVCM(バリアブルコントロールモジュール)設定によって、前/後輪の出力配分を50(120kW):50(120kW)にした合計出力240kW(加速重視)バージョンと、同じく出力配分を45(100kW):55(120kW)にした合計出力220kW(コーナリング重視)バージョンへの切り替えが行える。ちなみに今回はコーナリング重視バージョンで試乗した。
最高速度は旧型RC_01から大幅に上昇
走行性能も大幅に向上。0→100km/h加速ではRC_01の6.9秒からRC_02では3.4秒へと半分以下、最高速度は150km/h→220km/hへと70km/hも上回る。千葉県袖ケ浦市にあるサーキット「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」のラップタイムは市販タイヤを装着した状態で、1分15秒86→1分10秒34へと大幅に短縮(GT-Rと同等タイム)。また、参考タイムながらレーシング用にグリップ力を高めたスリックタイヤを装着した状態では1分8秒18を記録している。
RC_02に乗り込む。ボディはRC_01同様にモノコック形状で素材はCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)と呼ばれる炭素繊維強化プラスチック製。RC_02では前輪モーターが搭載されるため形状が変更され、同時にハイパワー化に併せた補強ロールケージも付く。サイドシルが厚いため足入れが大変であること以外、段差が少ない専用設計のため乗り降りはこれまで試乗したどんなレーシングカーよりもしやすく、ペダルを配する足元も広い。
前後のサブフレームは共通パーツ(逆配置)で、RC_01のそれから素材をスチールからCFRPに変更することで約25%(9kg)の軽量化を達成した。サスペンションはRC_01と形式こそダブルウイッシュボーン方式と同じながら、RC_02ではダンパーを車体型に取り付けるプッシュロッド式に変更し、よりレーシングマシンに近づけた。
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