世界市場で40万台(日本では約12万台)の累計販売を達成した日産のBEV/電気自動車「リーフ」。2010年、世界初の量産型BEVとして初代「リーフ」を発売し2014年に世界販売累計10万台、2015年には同20万台を達成。同時にバッテリー容量を24kWh→30kWhへと拡大し商品性を向上させた。
そして2017年には2代目リーフを送り出す。高度運転支援技術「ProPILOT」を搭載し販売に弾みを付けたリーフは2018年に世界累計販売30万台を数え、冒頭の40万台は2019年3月に達成した。
日産は早くから量産型BEVに対して前向きであったが、日産の副社長である中畔邦雄氏は5月に行った「ProPILOT2.0説明会」の場で、この先もその方針に変わりはないと表明。日産ではこうした数々の取り組みを「ニッサン インテリジェント モビリティ」とうたい、電動化車両の普及に対する明確なメッセージとして打ち立ててきた。
初代リーフにも存在したレーシングカー
また日産では、とりわけBEVが潜在的に持っているレースシーンでの可能性についても研究を重ねてきた。BEVは走行時にCO2を排出しないことからTank-to-Wheelの次元ではゼロエミッションビークルとも言われているが、そうしたなか2018年11月、日産では現行型リーフをベースにしたレーシングカー「NISSAN LEAF NISMO RC/RC_02」を発表、今回メディアを対象とした試乗会を行った。
実はリーフのレーシングカーは初代リーフにも存在する。同じくNISSAN LEAF NISMO RCを名乗り、「RC_01」と命名されていた。2011年4月に筑波サーキットでテスト走行を行い、その年の9月にはメディアを対象とした試乗の場が設けられ、筆者もその機会にRC_01の試乗を行っている。もっとも市販車の試乗取材とは違い、短いクローズドコースを1周するだけと限定的であったが収穫は大きかった。
RC_01は市販車のリーフが搭載するパワートレーンをベースにしながらも、特別に開発したレースシャーシを用いてモーターによる駆動輪をリーフの前輪から後輪へ変更、同時に徹底した軽量化(市販車リーフの1400kg台→920kg)が図られていた。結果、重心位置も大幅に下げられたRC_01のコーナリングパフォーマンスはまさにレーシングカーのそれであった。
2019年6月、2代目(現行型)リーフをベースにしたNISSAN LEAF NISMO RCである「RC_02」の試乗取材が行えた。RC_02のボディサイズは全長4546(▲66)mm、全幅1942(▲152)mm、全高1212(+328~333)mmと市販車のリーフよりも長く、幅広で背が低い(カッコ内の数値差は市販車のリーフとの比較)。シャープなデザインを採用したことでRC_01よりもさらに精悍さが増している。
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