7代目カローラを自動車通が「伝説」と語る理由 トヨタの大衆車はバブル期がすごかった
カローラが起こした「マイカー」旋風
初代カローラは1966年生まれだが、現在のモデルは12代目に当たる。最近の日本市場での販売こそ芳しくないが、世界市場では、ホンダ・シビックやVWゴルフを大きく引き離して首位の座を堅持している。
僕は初代カローラから12代目までのすべてに乗っているが、記憶にもっとも強く残っているのは初代と7代目。
初代は、1966年当時、「マイカー」を持ちたいと願っていた人たちの心を鷲づかみにした。「隣のクルマが小さく見えまーす!」という有名なキャッチコピー通り、誰もがわかりやすい形でライバルたちに差をつけていた。
内外装の仕上げ/質感は大衆車のレベルを大きく超えており、「驚きの」と表現できるものだった。10年ほど前、初代カローラに触れる機会があったが、その質感の高さに改めて驚かされたものだ。
話しはいきなり本題の7代目に飛ぶが、7代目は初代で抱いた驚きを再現したカローラであり、加えて、初期段階から開発に参加した思い出深いクルマでもある。
7代目の開発責任者(以後CE)は、後に副社長にまでなられた方で、快活でパワフル。一緒に仕事をしていて、とても楽しい方でもあった。
初期の試作車のテストから参加したが、テストの場は東富士と北海道士別の試験場が中心。