知ると楽しい!英語で話してみる「アリの世界」 キリギリスを助けるアリはあり?

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また、「何かをものすごくしたい(したくて待ちきれない)」という意味でも使うことができます。

When Erica started her speech, I felt antsy to leave.(エリカがスピーチを始めると、私はその場を離れたくてしかたがなくなった)

「それをしたくてしたくてムズムズする」という感じのニュアンスです。

アリとキリギリスの結末は?

モゾモゾの原因としてイディオムに使われているアリですが、皆さんは「アリ」に対してはどんなイメージを持っていますか? 英語ではpissantなんていう単語もあります。pissは「小便」という意味ですが、pissantで「取るに足らないヤツ」だとか、「細かいことにこだわるしょうもないヤツ」なんて意味で使われます。アリのサイズ感から来ているのでしょうか。

そうかと思えば、皆さんよくご存じのイソップ物語『アリとキリギリス』では、働き者の象徴として使用されています。英語では“The Ant and the Grasshopper”と訳されることが多いですが、なんと、もともとの話は「アリとセミ」だったそうですね。いったいどこでセミからキリギリスに変わってしまったのかは謎です。

言われてみると、「夏の間ずっと歌っている」のは「セミ」のほうがピッタリですね。物語でキリギリスが「歌う」という動作にはchirp(鳴く)という単語がよく使われます。一方のアリはtoil(せっせと働く)という単語で描写されています。

この物語の教えは、

It is best to prepare for the days of necessity.(備えあれば憂いなし〔万が一のときに備えるのがよい〕)

というものですが、近ごろのエンディングは、筆者が子どものときに読んだのとは違うようです……。

筆者が知っている『アリとキリギリス』では、冬になって食べ物のないキリギリスが、アリのところを訪ねます。すると、食べ物を分けてくれるように頼むキリギリスに対して「いったい夏の間に何をしていたんだ!」とアリが詰問。キリギリスは「ずっと歌っていたから食べ物を用意する時間がなかった」と答えます。

アリは「夏に歌っていたのなら、今度は踊っていなさい」と冷たく言って、ドアを閉めてしまいます。そして、キリギリスは凍死する、という感じだったはず(困窮したキリギリスがアリに助けてと言えず、吹雪の中どこかに寂しく去っていくという結末の話もあるようです)。

でも、最近の絵本などでは、アリがキリギリスに食べ物を分け与えて、その代償にキリギリスが歌を歌うのだとか……。これは、ある意味ハッピーエンドなのでしょうか? でも、もはや異なる教訓を伝える話になっている?というか、教訓はあるのか疑問です。働かずに好きなことをしていて、困ったときにも助けてもらえるって、個人的にはかなり微妙な気がするのですが、皆さんはどう思いますか?

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