交際相手としては申し分なかったが、結婚相手としてはとんでもない人だったというケースは多々あるものです。「こんな常識的なことまで、確認する必要すら感じなかった」という類いの価値観の相違や感情のズレが、積もりに積もって心が離れていく夫婦は少なくありません。
結婚は愛情やフィーリングなども影響するものであり、理詰めだけで決まるものではありません。しかし、事実婚になったとしても遠距離生活が当分続く仲です。お互いの結婚観や決意・覚悟を、あえてこの場面で冷静に確認し合うのも、大切なことだと感じました。
別居で深まる絆もあるが、多大な努力が必要
さて実際に事実婚に至ったらば、父子別居からスタートするからこそ、その溝を埋めたり絆を深める努力を人一倍しようと、目標を高く持ちましょう。離れて暮らしても心はいつもつながっていた、という家族の話をよく聞きますが、それにはそれなりの努力が伺えます。
泣いてもむずかってもかわいい赤ちゃんを育てる毎日に、親としての幸福や感動があり、親も親として成長していくのは疑いもありません。しかしここはないものねだりしてくよくよしても始まらず、「別居だからこそ、これができる」という、あなたならではの絆を深める目標を気強く持つほうが、建設的だと思われます。
数十年前ですが私の知人の夫は、遠洋漁業で半年に1度しか帰ってこない人でした。今と比べると通信手段は各段に限られていた時代です。知人の夫は寄港先々から、手紙や写真を頻繁に送ってくる人でした。そして子どもの年齢に合わせた父から子への語りかけを何本も録音して、次の遠洋漁業に出かけました。
またこれは最近知った若いパパの声です。単身赴任中に子どもができ、毎日夫人から刻々と、インスタグラムで何本も子どもの成長の様子が送られてくるそうです。
子どもの手足の動かし方のわずかな成長や、眠る姿勢の変化もわかるほどだそうで、毎日がとても幸福で、次に会える日がとても楽しみだと言っています。一緒に暮らして味わう喜びとはかけ離れていますが、その中にも楽しみを見いだし、絆を深める工夫をするほうがずっと生きやすく、物事の好転にもつながるものです。
“不当とはいえ現実的な制約”の中、好きな仕事を継続したいというお互いの結婚の意思が真実なら、別居家族としてスタートしても努力と工夫次第で、いくらでもよい家庭が築けると自信を持ちましょう。戸籍問題はこの際、優先順位は低いというご判断に私は賛成です。
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