「1人でできる子」は、テキトーに育てられている 「片づけ」「好き嫌い」どこまでこだわる?

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ドリルでのミスを正さない

幼い子どもは、具体的なことは理解しやすいものです。一方で「お行儀よくして!」という抽象的なことを言っても、子どもはなかなか理解してくれません。そうではなく、「靴をそろえて」「お茶碗を持って」と具体的に言ったほうが伝わります。

やがて「靴をそろえる」「お茶碗を持つ」などに共通するのが「お行儀がよい」という抽象的なものだと理解できるようになれば、ほかにもお行儀がよい行動(「イスにまっすぐ座る」など)を自分で考え出せるようになります。

これは国語の話ですが、算数も一緒。5人で遊んでいるときに2人が帰れば3人になるというのは目で見てすぐに理解できます。「5-2=3」という抽象的な思考は、具体的な経験を積むことで次第に理解できるようになります。

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抽象的なことを学ぶのは、ドリルで効率よくできます。ただ、具体的な経験を十分に積むことなしに取り組んでも、なかなか解けません。

未就学児にドリルを取り組ませる際は、ドリルの選び方がとても大事。内容が子どもに合っているかどうかの見分け方は、子どもが楽しんでいるかどうかです。逆に子どもが楽しんでいなければ、そのドリルで扱う抽象的な内容に対応する具体的な経験が、生活の中でまだ足りていないということになります。ドリルよりも、具体的な経験を積ませるのが先決です。

子どもがドリルを楽しんでくれても、全部が解けるとは限りません。とはいえ、いちいちミスを指摘するのはご法度。子どもは嫌気がさして、ドリルが楽しくなくなり、使わなくなってしまいますから。

ですから正解でも不正解でも、全部マルにしてしまいましょう。未就学児は、まだ論理的にしっかり理解するレベルに達していませんから、「正解!」ということにしても、子どもが間違えて覚えてしまう心配もありません。

子どもが自立する、育児がラクになる、イライラしない

以上で見てきたとおり、こだわりを捨てて、テキトーをもっと意識してみてください。親の気持ちに余裕が出てきますから、子どものコミカルな行動で愉快に思ったり、今まで見落としてきた子どものちょっとした成長に気づいたりすることもあるはずです。子育てってこんなに楽しいんだ!と思うことも増えるでしょう。

親は肩の力が抜けてストレスが減りますし、子どもだってガミガミと言われなくなりますから伸び伸びとしてきます。

しかも、子どもは1人でできる自立した子に、ちゃんと育ちます。テキトー子育て、まさにいいこと尽くめです。

はせがわ わか 子育て支援サービス「ハッピーエデュ」代表

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Waka Hasegawa

宮崎県生まれ。一児の母。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。大手メーカーの研究員として勤務。
2001年に結婚し、2007年に長男を出産。出産直後から息子の知育に積極的に励みながらも、会社では国内外含め100件以上の特許を出願するなど、息子の知育と仕事の両立に多忙な日々を送る。時間がない中でも、よりよい子育てをする方法を学ぶ中で、発達心理学会や脳科学会などでは常識であるにもかかわらず、これをいちばん必要としている親たちに知られてない事実が山ほどあることを知る。長男が就学後、エビデンスに基づいた頭のいい子の育て方を伝えるのは自分しかいないと思い、未就学児を育てる両親に育児のアドバイスを行うハッピーエデュを立ち上げる。ハッピーエデュの活動は口コミで人気を呼び、これまで200人以上の親御さんに幼児教育の方法を指導。97%以上の親御さんから「子どもが学習を楽しむようになった」などの喜びの声をちょうだいし、3歳にしてIQ200になった男の子も輩出している。

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