機内挨拶を大阪弁にしたら「おもろいんちゃう」 「それいい!」、Peachのアイデア出し3つの秘訣
ほかの会社や人がやっていないことをする
けれども、たとえ社員自身が「おもろいんちゃう?」と考えていても、それだけでアイデアが顧客サービスに具体化するわけではないことが取材ですぐわかりました。
Peachは「ほかの会社、またはほかの人がまだやっていないことを企画の前提にする」ということも重視しているのです。これが2つめの秘訣です。
会社レベルでいえば同業他社が、また個人レベルでいえばほかの社員たちが、こぞって似たような方向を向いて、似たような方法をとっていると、つい「われわれも乗り遅れまい」とか「自分もやらねば」と思ってしまいがちなもの。けれども、Peachでは、すでにほかでやられている企画を後発で追うことは、まずもってしないといいます。
例えば、Peachは「機内で車を買える」という機内販売サービスを打ち出しました。2016年に、フォルクスワーゲングループジャパンの「ザ・ビートル」の、Peach機内で販売する専用限定車としてピンク色のビートル「#PinkBeetle(ハッシュタグピンクビートル)」を販売したことがあります。当時、相当話題になりました。
けれども、このサービスも「ほかの会社がまだやっていないこと」だったからこそ実現したものであり、同様のサービスを他社がしていればボツになっていたことでしょう。
「声に出すだけ」ならコストもかからない
なぜ、Peachは「ほかの会社、またはほかの人がまだやっていないもの」という条件を企画出しに課すのか。
井上CEOやPeachの社員は「ANAが西に行くなら、Peachは東に行く」といいます。また、新しくやってきた規模の小さい航空会社が注目を浴び、お客さんに好きになってもらうには、新しいことを「せざるをえない」という事情もあったといいます。
たとえ、この記事を読んでいるあなたに、そうした事情がないとしても、「ほかの企業や人がやっていないこと」というフィルターを初めにかけてみるだけで、人から「それいい!」と思われる企画を生み出しやすくなるのではないでしょうか。
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