ぐっちーさん「地方の人はプライドなさすぎだ」

なぜ「フランスの田舎」とこんなにも違うのか

地元にあるものを大事にし、磨き上げてそれを競争力の原点にする。この点、補助金ばかりをあてにしている日本の地方の大半は、明らかに努力不足です。ロマネコンティだって、わずか2ヘクタール程度の土地からとれるものだけがロマネコンティであって、その先は「グラン・クリュ」(特級畑)であっても、もうロマネコンティではないのです。

古くから行われた地質検査で、ブドウの根がたどり着いている地層がここで変わるのです。ですからもう、違う地層に生えているブドウということで、ロマネコンティとは呼ばれないという厳格さが守られています。だから「1本ウン百万円」の値段が付くわけです。もし、補助金を使うのだとしたら、こういうことに使うべきなんでしょうね。つまり地方の地方色をより際立たせる何かを見つけ出す、ということに注力するなら、あながち無駄ではありませんね。申し訳ありませんが、6次産業化などといって「どぶろく飴」などを売り出さずに済むわけです。

「自立自活できる地方」でなければ、やっていけない時代

いずれにせよ、こういったことを支える地方地方におけるプライド、当事者意識というのが地域発展の原点となっており、出身者はもちろんですが、世界中から多くの若者を引き付けて移住者がやってきます。ブルゴーニュにもシャンパーニュにも多くの日本人が移住してワインづくりや畑づくりに従事していて、それなりに現地に受け入れられているのがまたすごいことだと思います(ブルゴーニュでは、「ルー・デュモン」のブランドで知られる、日本人ワイン醸造家の仲田晃司さんが名声を博しています)。

要するに、ワタクシがいつも言っている「稼げるところには黙っていても人は集まる」ということであり、年間わずか300万円を払って移住者を募って「老後を地方で暮らそう」などと言ってみたり、はたまた東京の大学の合格者を頭打ちにして「もっと地方大学へ行く人間を増やそう」などと言ってみたり、本当に申し訳ありませんが「ひどい政策」を打ち出す必要はないわけです。その地方地方がしっかり特徴を持って稼いていれば若い人は勝手に戻ってきますし、フランスのように日本人でさえ、移住者として引き付けてしまうのです。

その意味で、日本の地方政策はもうどこがまちがっているのか明白なのに、いまだに補助金という「薬漬け」から抜け出せません。財務省のキャリアの方から伺うと「こんなはした金で満足してくれるなら安いもんだ……」そうです。そうやって、いわば「薬漬けで眠らされている日本の地方経済ははたして健全なんだろうか?」と、フランスに来ると毎回考えさせられます。

人口構成はもちろんのこと、財政も社会資本も含めて日本は岐路に立って久しいのです。今ここで、向こう50年を見つめてやらないと後悔することばかりではないでしょうか。目先のオリンピックに惑わされず、日本の地方経済の将来を真剣に考えるべきときに来ています。少なくとも今の地方交付税交付金は今後数年のうちに見直されることは間違いありません。自立自活できる地方でなければ、もはや予算編成もままならない、という時代がもう来ています(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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