痴漢加害者に四大卒妻子持ちが多いという現実 再発防止のために知っておきたい被害の実態

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「いや、俺は痴漢なんか絶対にしない。それより冤罪のほうが怖い」と思うかもしれません。しかし、いつ何時、自分の中にある加害者性が発動するかはわかりません。

多くの痴漢加害者が、痴漢をはじめたきっかけについて「たまたま触れただけ」と言います。

森榎本クリニック・精神保健福祉部長の斉藤章佳さん(写真:リディラバジャーナル)

男性の場合は、追い詰められたときの反応として自殺するか他人に暴力を振るうかという反応が非常に多いんです。何かで追い詰められたりしたときに暴力に至る可能性は誰にでもあります。

過去に強姦をして捕まった男性が「どうせ死ぬんだから、死ぬ前に強姦してやろうと思いました」と言っていました。

彼は結局自殺できなかったんですが、追い詰められたときの男性の反応として、そうした二者択一的な反応のパターンがあると考えています。

ですから、男性にはぜひ自分の問題としてこの「痴漢問題」を知っておいてほしいなと思います。

加害者1人あたりの被害者数

加害者の半数以上が四大卒で妻子がいるサラリーマンだと話しましたが、一方で被害者側はどういう人が多いのか。

これは加害者に聞けばわかりますよね。どういう人を狙ったのかを聞けばいいですから。

女性の方はご存じかもしれないですが、彼らがどういう人を狙うのかと言えば、泣き寝入りしそうな人です。つまり、警察に訴えでないであろう人。

彼らは、痴漢をしても反発しなさそうな女性を嗅覚で選び、狙いを定めます。このことを彼らは「痴漢OK子ちゃん」と呼んでいます。

痴漢の場合、9割くらいが泣き寝入りと言われています。1割くらいの人が被害届を出すと。他の性犯罪も大体同じです。

ですから、犯罪白書に出ている統計というのは、本当に氷山の一角でしかないんです。

そして、痴漢行為を始めてから専門治療につながるまで、平均で8年かかります。彼らは週に平均2~3人に痴漢をします。毎週2~3人に対する痴漢を治療につながる8年間しつづけたら、単純計算で1000人はくだらない計算になります。

依存症の人は自分の行為を少なめに言う傾向もあるので、その数はもっと膨大になります。いずれにしても、1人の加害者によって1000人以上の被害者がいるということになります。

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