2014年の市場は「退屈への反乱」に警戒せよ すべての投資家が、楽観論に安住している時こそ危険

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米国の実体経済は順調だ。また財政問題は、共和党が票にならないことを察知して手を引いたので、問題はなく、イエレンFRB新議長に多少の不安は残るが、フィッシャーを副議長として呼び戻したことで、無難に乗り切ると思われる。

もちろん、日本も実体経済は穏やかで、消費税引き上げの影響は、1997年ほどのことはなく、多少の景気減速はあるだろうが、米国が崩れない限り、崩れないだろう。アベノミクスも金融政策を打ちつくしてしまえば、あとはめぼしいことはなく、せいぜい財政の大盤振る舞いで、これはマイナスだが、自民党なら予想通りで、コストとして折込み済みだ。

だから、投資家たちは退屈なのだ。材料がない。それでは、市場は動かないから、やることがない。それでは困るのだ。安倍政権批判のネタがなさ過ぎて困ったメディアが、特定秘密保護法を必要以上にネタにしたのと、同じだ。だから、今年は、何も起きないからこそ、小さな事件に対して、市場は大きく反応するだろう。2013年が良すぎたし、投資家も買いこみすぎたし、楽観的過ぎるから、仕掛けは下方向だが、結局は、乱高下で、水準的には、上がるのは難しいが、大きく下げることもないだろう。

2014年は、退屈への叛乱に注意が必要だ。

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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