そう思っていたら、この記事が出る前に暴落が起きてしまった。書き手としては残念だが、今後も、同じことだろう。つまり、暴落を仕掛けるには絶好の状況だが、実体経済が悪くなっているわけではないから、動揺する必要はない。必要なのはむしろ、そういう展開だから、株式投資をしたいのであれば、ポジション(保有)を増やさず、下がったときに少しずつ丁寧に買うことだ。
なぜ2014年は、「退屈への反乱」の年になるのか
株式投資指南はともかく、2014年は、退屈な2014年になるということだ。
2013年、楽観の中で暴落を含む乱高下が起きたのは、それは急激な上昇の反動からだった。2014年に乱高下が起きるのは、退屈への反乱、平穏からの逃避ということになろう。
2014年の経済については、アベノミクスという点では、第一の矢の衝撃によって、一度限りのショック療法、異常な萎縮均衡、縮小均衡から平常状態の均衡への移行を実現したことですべての役割を果たした。今後は、平常状態をどれだけいいものにするか、ということで、だから第三の矢が必要だ、成長戦略が必要だ、という議論がなされており、それについては、理屈は通っている。
しかし、株式市場は、政策議論の筋とは関係なく、どうやってリターンを出すかだ。2013年の乱高下も、2014年の冒頭の波乱も、どちらも、一気に上がりすぎたこと、そこで投資家が、楽観的になりすぎて一気に買いすぎてしまったことへの反動であり、仕掛け的に狙われた、ということだ。
2014年も、実体経済は主役ではない
だから、2013年5月は米国の出口戦略の影響の最も小さい日本市場が最も大きく下がったのだ。ファンダメンタルズも資金の流れも関係なく、日本が一番上がっていたから、それだけ下がったということで、2014年冒頭も米国雇用統計で下がったのは、日本が浮ついて上がっていたから、そこを為替とともに狙われたに過ぎない。
2013年も2014年も実体経済は主役ではない。金融市場が2013年はアベノミクスのリフレ政策で盛り上がり、2014年は、金融政策が出尽くしたので、退屈な市場になりかけたところを、反乱として、退屈が金融市場におけるトレーダーの一番の敵だということで、仕掛けられただけのことなのだ。
なぜなら、今回の暴落のきっかけは米国雇用統計の失望だが、統計が発表された金曜日は無風、週明けの月曜日に米国株の暴落が起き、それによって、日本の株式は火曜日に大きく下がったのだ。つまり、実体経済も、金融政策も関係なく、投資家の都合、気持ちだけの問題なのだ。
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