デジタル社会で「管理職」が重宝される根本理由 映画会社は、なぜなくならないのか
管理職の割合は増えている
デジタル・エコノミーの時代でも会社は存続することになるばかりか、少数のプラットフォーマーが大規模化していきます。その一方でフリーエージェントやマイクロ法人(自営業者の法人成り)のように「組織に所属しない働き方」も一般的になり、彼らはプラットフォームを使って自らの専門性と仕事をマッチングさせ、さまざまなコンテンツを流通させていくようになるのです。
『プラットフォームの経済学』の著者であるアンドリュー・マカフィーとエリック・ブリニョルフソンは、会社と同様に管理職もなくならないといいます。管理職は1998年にはアメリカの労働人口の12.3%を占めていましたが、2015年には15.4%に増えています。これは一見奇妙なようですが、働き方が「二極化」していると考えれば理解できます。デジタル・エコノミーでは、フリーエージェントと管理職がともに増えるのです。
この現象は、「ルーティンワークのスキルに対する需要は大幅に減ったにもかかわらず、調整、交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」に対する需要は高まった」からだと説明されます。全職種を通じてソーシャルスキルを必要とする仕事は24%増えたのに対し、統計や分析など数学的スキルのほうは11%増にとどまっているのです。
管理職のソーシャルスキルとは、「部下なり同僚なりの感情や欲求を察知し、気持ちよくいっしょに働けるようにする能力」のことです。管理職が必要とされるのは、3つの理由があるとされます。
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