デジタル社会で「管理職」が重宝される根本理由

映画会社は、なぜなくならないのか

デジタル時代に管理職が必要になる理由とは(写真:Greyscale/PIXTA)
デジタル・エコノミーの社会では、さまざまな仕事が分権化され、プロジェクトとして切り分けられるようになる。それに伴い、「会社は存在意義を失い、存在したとしても組織はフラット化し、管理職はいなくなる」という見方が出ている。
これに対して作家の橘玲氏は、「会社も管理職も必要とされ、その存在は当分の間維持される」と明言する。そして近著『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』で、1950年代からいち早くプロジェクト型に移行した映画産業で、今でも映画会社が大きな影響力を持ちつづけている事実を記している。今回は同書より、デジタル・エコノミーの社会での会社や管理職の役割について語った一節を紹介する。

管理職の割合は増えている

デジタル・エコノミーの時代でも会社は存続することになるばかりか、少数のプラットフォーマーが大規模化していきます。その一方でフリーエージェントやマイクロ法人(自営業者の法人成り)のように「組織に所属しない働き方」も一般的になり、彼らはプラットフォームを使って自らの専門性と仕事をマッチングさせ、さまざまなコンテンツを流通させていくようになるのです。

『プラットフォームの経済学』の著者であるアンドリュー・マカフィーとエリック・ブリニョルフソンは、会社と同様に管理職もなくならないといいます。管理職は1998年にはアメリカの労働人口の12.3%を占めていましたが、2015年には15.4%に増えています。これは一見奇妙なようですが、働き方が「二極化」していると考えれば理解できます。デジタル・エコノミーでは、フリーエージェントと管理職がともに増えるのです。

この現象は、「ルーティンワークのスキルに対する需要は大幅に減ったにもかかわらず、調整、交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」に対する需要は高まった」からだと説明されます。全職種を通じてソーシャルスキルを必要とする仕事は24%増えたのに対し、統計や分析など数学的スキルのほうは11%増にとどまっているのです。

管理職のソーシャルスキルとは、「部下なり同僚なりの感情や欲求を察知し、気持ちよくいっしょに働けるようにする能力」のことです。管理職が必要とされるのは、3つの理由があるとされます。

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