グーグルマップ「突然の劣化」はなぜ起こったか 本社のエンジニアリング責任者を直撃した

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――バス停がなくなったり、道の太さや角の形が、これまでの日本の地図では見慣れないものになり、ユーザーの間で違和感が広がったりもしていました。

バス停情報はリリース後24時間以内におよそ3万カ所の情報を元に戻すことができた。道幅の違和感についてもフィードバックをたくさんもらっており、認識している。専任のチームが対策中だ。地図の作成にあたっては、日本法人のチームと幅広く連携を取りながらやってきた。ユーザビリティー(使いやすさ)についての研究は継続して行っている。

乗り換え案内も便利に

――今回の改変後には、グーグルマップ上でおかしくなっていると思ったことを、ユーザーがツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿する動きが多く見られました。

グーグルマップアプリ上のフィードバック送信画面。こうしたクラウドソーシング的な取り組みが、より精緻な地図開発を可能にしている(画像:アプリ画面をキャプチャ)

いろいろなチャネルでユーザーの声を聞いている。とくにリリース時はSNSを注視していた。そこでの声を基に変更を加えた場合は、「Thank you for the feedback.(フィードバックをありがとうございます)」と返信していた。

ただ、どの場所のことを言っているのかわからないなど、つぶやかれていることが曖昧なことも多い。われわれとしては、PCやスマホアプリのグーグルマップにある「フィードバックを送信」という機能を使ってほしい。

――フィードバックを素早く反映できること以外には、どんなメリットがあるのでしょう。

独自の地図を築いたことで、さまざまな新しいことができるようになった。例えば歩行時のナビゲーションでは、「ランドマーク」という新たな機能が実装できるようになった。これまではどれくらいの距離を歩いたら右折して、といった案内しかできなかったが、「この先のファミリーマートで左折してください」といった案内が可能になった。

電車の乗り換え案内はより細かな情報の提供が可能になった(記者撮影)

さらに、東京では乗り換え情報が非常に重要だ。新しいグーグルマップでは、歩行、公共交通機関、タクシーといった複数の移動手段を組み合わせたうえで、最も効率的な移動方法を提示する新機能を加えた。

また、電車を利用する際、何号車に乗れば乗り換えがしやすいか、といった情報も加えた。アクセシビリティモードでは、駅のエレベーターの位置も提示できる。こうした要望は過去にも数多くあったが、新しいマップでは事細かに対応しやすくなっている。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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