グーグルマップ「突然の劣化」はなぜ起こったか 本社のエンジニアリング責任者を直撃した
――なぜ今回、日本で新たな地図の導入を決めたのですか。
大きなモチベーションの1つが、ユーザーのフィードバックに対してできるだけ早く反映できるような体制にしたかったということ。これまでの日本の地図では、それらを地図上に反映するのに平均で数カ月かかっていたが、新たな地図では早ければ数時間、遅くとも数日で対応できるようになる。頻繁にアップデートすることによって、最高のエクスペリエンスを提供したいと考えている。
日本で地図を作るのは難しい。地形は複雑で、都市部の密度は非常に高い。道路の幅もさまざまだし、歩行者が歩く階も上だったり下だったりする。子どもの頃に3年間日本に暮らしていた私としては、地図の複雑性はよくわかっている。
「正直に言うとサプライズもあった」
――とはいえ、誰もが使うインフラのような存在になっているからこそ、大きな改変は混乱をもたらしました。
新しい地図のリリースにはつねに難しさが付きまとうのは事実だ。リリース後にはこんなことが起こるだろうと予測し、迅速に対応しようと想定もしていた。とはいえ正直に言うと、サプライズもあった。
ただ新しい地図だからこそ、ユーザーからのフィードバックに迅速に対応できたと思う。リリース後の24時間以内には43の新たな高速道路を追加し、地図上における何百万もの私道の描画をすべて止めた。スムーズにいかなかった部分もあるが、迅速な対応も新たな地図の特徴だ。
たとえば3月20日にはユーザーからこんな報告があった。「バイパス道路は3月10日に完成しました。地図に追加してください」と。バイパス道路が完成していたにもかかわらず、グーグルマップに表示されていなかったのだ。すぐにストリートビューの撮影車を走らせ、2日後の22日には、地図データへの反映を完了させることができた。
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