Something Fourというのは欧米の結婚の習慣なのですが、最近では日本でもこの習慣を真似ることもあるみたいですね。もともと古いイギリスの詩に
Something borrowed, something blue
A sixpence in your shoe
(古い物と新しい物
借りた物と青い物
6ペンス硬貨は靴の中)
というものがあり、結婚式の当日に花嫁が身に着けていると幸せになれると言われている4つの物を指しています。詩の中にあるoldeというのは古い英語のつづりで、現代の英語のoldと同じ意味です。この4つ、Something Fourを花嫁が身に着けて結婚式をする習慣が、現在でも残っています。
Something New(なにか新しい物)
Something Borrowed(なにか借りた物)
Something Blue(なにか青い物)
Something Oldは伝統や祖先を表していて、母親や祖母の宝飾品や衣装などを身に着けることが多いようです。Something Newはこれから始まる未来を表していて、ウェディングドレスや靴など新調したものを身に着けます。Something Borrowedは幸せな結婚生活を送っている友人や親せきから何かを借りて身に着けます。彼らの幸せにあやかるという意味があるそうです。Something Blueは純潔を表す青の象徴で、通常は青いガーターを着けることが多いようです。一説にはEvil Eye(邪視)という呪いから、花嫁を守る作用があるとも言われています。
ちなみに、上記の詩の最後に出てくる6ペンスというのは、昔のイギリスで使用されていた硬貨の1つです。現在は1ポンドが100ペンスですが、1971年以前は1ポンドが240ペンスでした。1971年には1ポンドが864円だったそうですから、そうすると6ペンスは22円くらい、1967年以前は1ポンドが1008円だったので、そちらで計算すると25円くらいということですね。
6月の花嫁
冒頭でお話ししたJune Brideですが、さまざまな説があるようです。1つ目はJune(6月)という月の名前の由来に関連しています。Juneはローマ神話の結婚の女神Juno(ユーノー)の名前がその語源です。結婚の女神の名前がついた6月に結婚すれば、幸せになれるというのが一般的によく聞く説の1つです。
2つ目は、農業に絡むタイミングによるもの。農作業が重要だった時代に、お嫁さんが秋の収穫時に妊娠で作業ができないということがないように、6月に結婚することが推奨されていたという説です。結婚後にすぐに妊娠したとしても、2~3カ月目であれば、まだ身軽で動けるということでしょうか? 農家ではお嫁さんも重要な労働力だったのかもしれませんね。別の説では、農作業が忙しい3月~5月には結婚が禁じられていたとのこと。結婚が解禁となる6月には結婚ラッシュがあり、祝福ムードが高まっていたそうです。そんな時期に式を挙げれば幸せになれるという説です。
3つ目は入浴にまつわる説。いくつかバリエーションがあるようですが、中世は入浴を年に1~2回しか行っていなかったとのこと。冬が終わって5月~6月くらいになると入浴をすることが多かったため、「花嫁の体臭がいちばん気にならない6月に結婚するとよい」というふうになったのだとか。
別の説では、「体臭を隠すための花が6月になるとたくさん咲くから」というのもあります。結婚式で花嫁が手に持つブーケが、実は体臭を隠すためだったというからびっくりですね。それにしても、花嫁のことばっかり体臭、体臭って言っていますが、花婿だって同じように体臭がしていたはずです。お互いさまですよね……。
どれが本当の由来かはわかりませんが、かなり古くからJune Brideというコンセプトはあったようです。でも、6月が梅雨時期の日本ではJune Brideは微妙かもしれませんね。
湿気も多く、花嫁も花婿も大きなブーケが必要そうです! でも、Junoのご利益にあやかれるのでしたら、エアコンがしっかりと効いた会場で6月に挙式するのもいいかもしれません。Live happily ever after! I wish you a lifetime of love.(末永くお幸せに!愛に満ちた人生を)
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