エプソンが「ペーパーレス時代」を勝ち抜く条件

インクジェット式でレーザー式を打ち破る

――しかし、市場全体はレーザー式が圧倒的です。

これまでプリンターメーカーはレーザー式で収益を上げてきた。インクジェットへの置き換えは既存のビジネスモデルを変えることになるので、他社は積極的にインクジェットに置き換えにくいだろう。

自動車と違ってプリンターは目立つ製品ではないから、認知されにくいという問題もある。またエプソンが「インクジェットのほうが性能がいい」とアピールしても手前ミソな面がある。

新しいビジネスモデルの浸透は大変だ

エプソンがエコタンクを出したときも同様だった。メーカーの立場からすると、エコタンクのような製品は利益を考えると悩ましい。ただ、顧客の立場になって考えると、プリンターに求められるプリンターをしっかり出すことが必要だ。

エコタンクも販売を開始して約10年経ち、シェアが上昇してきた。今では新興国を中心に新たに売れるインクジェットプリンターの6割はエコタンクだ。新しいビジネスモデルを浸透させるのはなかなか大変だと感じている。

――新中計では2021年度(2022年3月期)に売上高1兆2000億円、2025年度(2026年3月期)に売上高1兆7000億円を目標にしています。達成は可能ですか。

連続的に毎年同じ成長率で業績を伸ばそうと考えているわけではない。成長の柱になるオフィス向けのインクジェット式複合機が本格的にレーザー式に置き換わるのはまだ先だと思っている。競争は厳しいし、新しいものに変えていこうとすると、抵抗も出てくる。

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