エプソンが「インクジェット」に命懸けの理由 碓井社長「ペーパーレスを言い訳にしない」
環境を考えれば、インクジェット一択
――大容量のインクジェットプリンターはどこまで広がるのでしょうか。
基本的にはプリンティングのメジャーな商品になっていくと思っている。カートリッジをとっかえひっかえ使い捨て交換していく今のビジネスモデルが永久に続くことはあり得ない。今の世の中では環境のことを抜きにして語れない。廃棄するものがなく、消費エネルギーも非常に少なく、必要なときにパッと印刷できるものが求められるようになる。
インクジェットの消費エネルギーはレーザーの8分の1だ。インクをパッと飛ばすだけだから。もともとの印刷技術はアナログの「版」にたっぷりとインクをつけて紙に刷るというものだったが、非常に効率が悪いし、廃棄物も多かった。インクジェットであれば、環境を気にしない生産環境に作り替えることができる。
核となる技術がインクジェットのヘッドだ。これが製品としてのパフォーマンスを決定づける。まっすぐ、精度よくインクを飛ばさなければいけない。われわれは「省・小・精」の技術を基盤にしてきた。(祖業の)時計なんてまさにその極み。プリンター自体は大きいが、コアデバイスはすべて自分たちでつくって最終製品まで展開している。
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