目標設定を間違うチームが力を尽くせない理由 行動、成果、意義の「最適」を探るのが肝要だ

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その前提に立つと、

「目標を確実に達成するのがいいチームだ」

これは必ずしも間違っているわけではありませんが、それ以上に大切なことは、

「目標を適切に設定するのがいいチームだ」

ということなのです。

「どうすれば目標を達成できるか?」を考える前に、「どのような目標を設定するのか?」に、より力を注ぐのが望ましいのです。

多くの人が、勉強においてはテストでできるだけ高い点を取る、スポーツにおいてはできるだけ高い順位を取る、という「与えられた目標を達成する競争」に小さな頃から慣れ親しんでおり、自ら目標を設定するということには不慣れです。

しかし、チームづくりにおいては、「自分たちで最適な目標を設定する」という意識を強く持つことが非常に重要です。

あなたのチームは何を目標にするのか?

ここからはチームに対して適切な目的や目標を設定するための法則を解き明かしていきたいと思います。

拙著もさまざまな人を巻き込んでチームで制作したのですが、あなたが制作チームの一員なら、どの目標設定がいいと思いますか?

A 「チームの法則」を、事例を交えてわかりやすく伝える本をつくる
B 10万部売る
C 日本全体のチーム力を高める

Aは行動レベルの目標設定です。行動レベルの目標設定とは、チームメンバーが具体的に取り組むべき行動の方向性を示したものです。この場合は「事例を交えてわかりやすく伝える本をつくる」という行動を起こすことそのものが目標となります。

Bは成果レベルの目標設定です。成果レベルの目標設定とは、チームとして手に入れるべき具体的な成果を示したものです。この場合は「10万部」という販売数の成果が目標になります。

Cは意義レベルの目標設定です。意義レベルの目標設定とは、最終的に実現したい抽象的な状態や影響を示したものです。この場合は「日本全体のチーム力を高める」という意義が目標になります。

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